前編から続きます。
この3本のバーをもつ、昇降式ホーム柵がどういう動きをするのかというと…。
電車がやって参りました。
何故か作業員さんがいる
この方、ホーム柵の動きなどをチェックしていたようです。
そして、このように電車が到着すると…。
電車が到着
電車が完全に止まらないとバーが上がりません。
まだ止まらない
完全に止まりきったところでバーが上がり、ドアが開きます。いや、正確に言うと、ドアを開けることができるようになります。八高線の電車は半自動ドアで、ドアは乗客が開けることになっていますから。
乗客がドアを開ける
こちらは客扱い中の写真↓
バーを支える両端の柱が伸びているのがよくわかる
そして、客扱いを終えると、ドアを閉じて発車となるのですが…。
ドアが閉じる前に、バーが降り、乗降ができなくなります。
バーが降りて来るのが先
通常型のホームドアだと、ホームドアと車両のドアは同時に閉まるのですが、これはバーが降りて来るのが先になっています。
このあと、電車はドアを閉め、八王子へ向けて発車していきます。
ちなみに、この日管理人が載ったのはこちら↓
また205かorz
まあ、南武線でも武蔵野線でも205系を追っかけたので、八高・川越線で205系が出てきた方がいいんですけどね(^_^;) できれば209系3100番代に乗りたかったなあorz
以前にも指摘しましたが、従来型のホームドアは、ホームのドアと車両の扉の位置を合わせることが絶対に必要で、これを導入するためには、車両の規格の統一、少なくとも各車両・各編成の扉位置の統一が絶対に必要となります。この車両規格の統一のために、車両を入れ替えたのが横浜市営地下鉄ブルーラインですが、さらに運転士の手動操作による停止だけでは運転士の負担が重くなりすぎるため、ホームドアを導入した多くの路線では、定位置停止装置(TASCなど)やATOなどを導入して、運転士の負担軽減を図っています。
このように、既存路線へのホームドア導入は、ホームドアの筺体の設置そのものに伴う経費と、車両の規格の統一、そしてTASCなど運転士支援システムの導入にかかる経費が大きく、それらが導入への高いハードルとなっています。特に車両規格の統一は大変な問題となっています。
これに対し、「昇降式ホーム柵」ならば、従来型ホームドア設置よりも経費が安く上がり、車両規格の統一や運転士支援システムの導入の必要がなく、そして何より構造が簡易で設置も容易なため、ホームドア設置の切り札として期待されています。特に、東武伊勢崎線(スカイツリーライン)のような、0扉~6扉車が混在する路線では、従来型ホームドアの導入は不可能ですから、そういう路線でもホームドア設置と同じ効果を期待できるからです。
しかし、この「昇降式ホーム柵」、必ずしも諸手を挙げて歓迎すべき「切り札」というわけではないようです。
そのことを指摘しているのがこちらの記事(乗りものニュースの記事)ですが、これによると、
1 視覚に障害がある人がホーム上を歩く場合、従来型のホーム柵の場合は内側の壁の部分を触りながら移動すれば、何かにぶつかることなく歩くことができる。しかし、昇降式の場合は柵を昇降させる柱が出っ張っているため、歩いているときに柱とぶつかる危険がある。
2 従来型ではホーム柵と電車のドアの位置がほぼ一致しているため電車のドアの位置を探しやすいものの、幅の広い昇降式ではドアを探すのに時間がかかり、停車時間が短い場合は不安がある。
という難点があるとのことです(上記記事から抜粋)。
なかなか難しいものですね。
ひょっとしたら、東急がつきみ野駅で試験的に運用していた「昇降式ホーム柵」を撤去したのは、田園都市線に残る6扉車を放逐し、従来型ホームドアを設置することを選択したからかもしれません。
いかにホーム上の乗客の安全を確保するか。この問題に関しては、まだまだ模索が続きそうです。
【お断り】ホームドアの是非及びそのあり方に関しては、コメントをご遠慮くださいますようお願い申し上げます。管理人はそれらの問題について議論するつもりはありません。何とぞご了承ください。
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