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2643.東武通勤車の半世紀~8000系から60000系まで その18 今後はどうなる?

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その17(№2629.)から続く


1週間近く空いてしまい申し訳ありません。
今回は、東武通勤車にまつわる連載の最終回として、今後の東武の通勤車の動きを占ってみたいと思います。

1 8000系の去就
今のところ、一番の関心事はこれですね。既に東上線では池袋に顔を出す編成は10連×3本までに減っており、活躍の場が本線からローカル線に移っているように思われます。トータルの両数も、既に50000系列のそれを下回ったといわれていて、往年の栄華は望むべくもありません。
東上線の10連は、近い将来のATC化が予定されていますので、早晩退役となるでしょう。野田線でも、新車60000系の投入や本線・東上線からの10030系転属などで、8000系は数を減らすことが予想されます。そうなると、8000系の活躍の場所は、東上線末端区間や越生線、あるいは亀戸線・大師線や群馬・栃木地区ローカル用といった、ワンマン運転の路線に限られていくのではないかと思われます。
ただ東上線の8000系の置き換えはどうするのか、本線系統から10000系列や30000系を持ってくるのか、あるいは50000系列を新造して投入するのかに関しては、まだ分かりません。しかし、いずれにしても、こと東上線池袋口の10連に関する限り、「先が見えた」ことは確かだと思います。

2 9000・10000系列の去就
森林公園や南栗橋の車両基地公開イベントでは、花上嘉成・東武博物館名誉館長のトークショーが愛好家の熱い注目を集めるものですが、その中で「9000系や10000系、20000系の部品が払底してきている」との発言が注目されます。
花上名誉館長の発言が事実であるとすれば、これら系列について、チョッパからVVVFへの換装が今後続くことも十分予想されます。既に東上線用10連にVVVF化された編成が出現していますが、これが他車に波及することも大いにあり得ます。
以下は管理人の私見ですが、9000系列、特にチョッパ車の9000系は、早い段階で50070系と同等の電機品に交換してしまった方がいいのではと思っています。というのは、そうすれば50070系と取り扱い方や性能が揃えられますし、取り扱い方が揃えられれば乗り入れ先の乗務員の負担も減るからです。本当は50070系を追加投入して9000系列を地下鉄乗り入れ運用から追い出した方がいいのかもしれませんが、流石にそれは、設備投資として過大になってしまうでしょうね。9000系列に投じた改造費用も未だ回収できていないでしょうし。
10000系列にしても、10000・10030系とも内外装のリニューアルは行われてきていますが、メカニックの換装までは一部を除いて進んでいません。今後同系列を使い続けるとすれば、これも課題になってくるのではないかと思います。

3 20000系列はどうなる?
20000系列は、20000系は10000系列と同等のメカニックを持ち、20050・20070系は30000系と同等のそれを持っていますが、花上名誉館長の言う「部品の払底」が事実だとすれば、20000系列、特に20000系に関しても、メカニックの換装が視野に入ってくるのでしょう。
ただ、20000系列は、最も新しい20070系でも登場後17年以上、20000系は登場後20年以上経過しているにもかかわらず、未だ内外装の大幅なリニューアルがなされないままです。ですから、メカニックよりも20000系のリニューアルが先なのでは…と思ってしまいます。これは、日比谷線を毎日利用する利用者としての管理人個人の意見ですが。

3 30000系の半直完全撤退、又は東上線集中配置は?
30000系に関しては、①半蔵門線直通運用からの完全撤退と、②東上線への集中配置があるのかというのが関心事です。この2つの問題はいずれも独立した問題であり、別個に考えるべきだと思われます。
に関しては、途中駅での分割が必要な「フラワーエクスプレス」の運用があるため、今のところは残るのではないかと思われます。ただこれも、50050系の追加投入があればわからず、事実鉄道趣味界では30000系の半直運用完全撤退の噂が絶えませんが、そのようなことはないと思います。現時点では、東武は50050系の追加投入に関して一切アナウンスをしていませんので。
に関しては、①が実現するか否かにかかわらず、「ない」というべきでしょう。なぜなら、30000系には永久磁石同期電動機(PMSM)の試験車両がいますが、このような車両を東上線に送るとは思えないからです。
したがって、仮に30000系が半直運用から撤退することが万が一あったとしても、直ちにそれが東上線への転属という結果にはならないと思います。

4 50000系列、又は他の新造車の増備は?
現在、東武は通勤車として50000系列、又は野田線用として60000系を投入しています。60000系は野田線への投入が継続されることになっていますが、問題は50000系列。さらなる投入があるのか、あるいは全く別の新車が登場するのか。
今のところ、東武は50000系列の追加投入、あるいは他の通勤車の投入に関しては、何もアナウンスしていません。東武は群馬・栃木県内に不採算路線を多数抱えているため、他の大手私鉄に比べて財務状況が良くなく、そのため十分な設備投資(新車投入)ができにくい状態にあります。そのような状況下だからこそ、リニューアルをしてでも9000・10000・20000の各系列の継続使用となるのでしょうが、今後直流電動機の保守のコストの問題が生じる可能性があること、あるいは前述した部品の払底の問題が顕在化するであろうことを考慮すれば、長期的には視野に入ってくるものと思われます。その車両は、恐らく南海8000系と東武60000系を足して2で割ったような、前面貫通型で併結時にも通り抜けを可能とする形態となるのでしょう。

5 最後に
今回もまとめるのは大変でした(汗)。
今年は8000系登場満50周年の節目にあたり、かつ現在同系の淘汰も進められているため、8000系から現在最新の60000系までの流れを概観することは、意義のあることだと思っています。ただ、内容的にその意義に見合ったものを作ることができたかどうかは、読者の皆様のご判断に委ねざるを得ませんが。

今年2013年の連載は、今回をもちまして最終回となります。来年2014年もネタを考えておりますので、どうぞお楽しみに。

-完-

※ 当記事は12/15付の投稿とします。


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