幻の系統。
路線バスには多く存在します。
多く「幻の系統」といわれるものは、
・運転本数や曜日などが限られている
・路線図を見ても載っていない
ものですが、勿論都営バスにも存在します。
それが、今回取り上げる「葛西駅-富士公園-コーシャハイム南葛西」の路線。葛西駅にもコーシャハイム南葛西のバス停にも、その路線を表す系統番号がありません。しかし実は、案内用に使用していないだけで、ちゃんと「臨海28-2」という番号があるようです。
管理人は、8月17日にこの「幻の系統」に乗車。葛西駅12時20分発の便を待ちます。この系統は、葛西駅8番乗り場、地下鉄博物館の側から発車します。
乗り場はここ(以前の記事から転載・写真は該当系統ではありません)
来たのは、江戸川(V)ではなく、臨海支所(R)のバス。
管理人乗車車両
バスの行先表示ですが、系統番号が出ていないことがお分かりになりますでしょうか? 車両の行先表示には系統番号が出ない。しかも停留所の案内には、系統番号が書いていない。なぜ「無番」なんでしょうね?
このバス、葛西駅を発車すると環状七号線の外回りを進むのですが、葛西南高校入口を出ると左折。その後さらに右折して富士公園バス停へ。さらに「葛西21」のルートに入り、コーシャハイム南葛西に至ります。
この富士公園のあたりが、この系統の独自区間。そのため、乗りつぶし派かつ平日に休みの取りにくい社会人の方には、極めて難易度の高い路線になっています。
ちなみに、乗客数はといえば、管理人を含めても1桁。独自区間で乗降したお客は1人だけだったと記憶しています。
で、コーシャハイム南葛西バス停なんですが、到着は葛西臨海公園方面のバスが発着するのと同じバス停に到着します(上の写真)。
その同じ道路の反対側に、葛西方面へのバス停があります。
…と、ここまでは普通なのですが、このバス停が普通でないのは、「第3のバス停」が存在することなのですよ。
(以下の写真は全て平成27年8月29日撮影です)
これが第3のバス停
この「第3のバス停」、「葛西21」のコーシャハイム南葛西折り返し(葛西臨海公園駅まで行かない便)と、今回管理人が乗車した「富士公園経由葛西駅行き」が発車する場所のようです。
こちらが「幻の系統」の時刻表。
本数は1桁
本数は極めて少なくなっています。
そしてこちらが、メインである「葛西21」始発便の時刻表。
朝夕に偏っている
これ、真ん中の注意書きは、ここからの発車がない時間帯は別の場所で乗ってくれという案内なのですよ。別の場所とは、先ほど触れた、管理人が降りたバス停の反対車線にあるバス停。
それは後でご紹介するとして、こちらの
「葛西21」と「深夜05」の案内だけ
平日深夜にだけ、西葛西からここまで走る「深夜05」という路線があるのですが、この路線図の右側は「深夜05」です。左側は葛西駅へ達する「葛西21」。富士公園経由の葛西行きは、この路線図には出ていません。
さて、ここで第2のバス停をご覧いただきましょう。ここは、「葛西21」でも葛西臨海公園から来る便が発着します。
ここからも葛西行きが出る
こちらのバス停には、富士公園経由葛西駅行きの路線図が、ちゃんと描かれています。
こちらには描いてある
ということは。
富士公園経由葛西駅行きの路線は、「葛西21」のコーシャハイム南葛西始発便ともども、始発の「第3のバス停」を出た後、ここでも客扱いするのでしょうか。となるとこの両者は、「コーシャハイム南葛西」という停留所に2度停車することになります。管理人は帰りの便には乗らなかったので、それを確かめることはしませんでしたが。
しかしこの、富士公園経由で葛西駅とコーシャハイム南葛西を結ぶ便、どういう意図で路線を設定したんでしょうね? 「都営バス資料館」によれば、平成13(2001)年から走っているようですが、そのころから本数はそれほど変わっていないようです。免許維持なのか新規路線開拓なのか。そのあたりがもやっとしたまま残ってしまいました。