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2218.祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり~京阪初代3000系が引退へ

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冒頭の写真は、一昨年10月に丹波橋駅で撮影した京阪の8030系です。いや、当ブログをごらんの皆様にとっては、「8030系」とかいうよりも「旧3000系」と言った方が通りがいいかもしれませんね。以下では単に「3000系」といいます。

この3000系、昭和46(1971)年から投入が開始され、それ以来40年以上にわたって京阪のフラッグシップの座にありましたが、このたび遂に引退することになりました。

旧3000系特急車~ラストランに向かって~
旧3000系特急車(現8000系30番台)は平成25年春に営業運転を終了いたします。


↑は京阪公式HPの特設ページですが、これから来春の営業運転終了へ向けて、さまざまなイベントなど情報発信を行うようです。
とりあえずは「3000系最後の夏の1日乗車券発売」とか「往年の特急停車駅シールラリー」などが予定されているようで、楽しみですね。

それにしても、ひとつの車両の引退を、半年以上前からアナウンスし、自社の公式HPに特設ページを作ってしまうとは。京阪の「中の人」の3000系に対する思い入れが一入なのも理由でしょうが、それと同時に、この車両が鉄道愛好家だけではなく沿線住民にも人気のある車両だったのではないかと思います。

管理人は関東在住ですから、京阪など関西の私鉄には「旅行者」「よそ者」としてしか接しませんが、子供のころの絵本には、関西の私鉄電車として近鉄ビスタカーや阪急2800系(←ほら、そこで管理人の年が判るとか言わない!)とともに、この電車が掲載されていたものです。当時は3000系が1900系に特急運用を取って代わった時期で、バリバリの新車でした。それが40年ですか…月並みな物言いですが、光陰矢のごとしですね。

一昨年10月に撮影した、内装とサイドビューをノーキャプションでどうぞ。


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現特急車の8000系の方が内外装とも優雅な印象がありますが、狭窓が整然と並ぶサイドビューや、それに合わせて転換クロスシートが整然と展開する光景は、特急車でありながらも質実剛健な印象があります。

ところで、3000系の引退は、日本の鉄道の歴史に残るこの車両の引退をも意味するわけでして↓


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テレビカーも遂に放送終了(こちらは平成21年11月に淀屋橋駅で撮影)

テレビカーの消滅は既に3年前にアナウンスされており、当ブログでも記事にしたことがありますが(こちら)、既にワンセグケータイが普及して列車内でテレビ放送を流す必要性がなくなったことなどによります。8000系でもリニューアルの進行とともにテレビが撤去されていて、テレビを搭載した編成は残り少なくなっています。そんな中、3000系は最後までテレビを搭載して運用につくことになります。
最後まで…といえば、外板塗色もそう。京阪は特急車・通勤車とも塗色変更が進んでいますが、この車両は伝統の「京阪特急色」を維持しています(管理人は、果物のマンゴーの果皮と果肉に色がそっくりなことから『マンゴー塗装』と言っていますが)。この塗色のままで、来年3月に引退することになります。

それにしても、今回の発表ですがずいぶん間を置いた引退だなあ…と思います。昨今の『鉄道フーリガン」どもの跋扈の嘆かわしさを考えれば、阪神の2000系や東急大井町線8001Fなどのように、ある日突然引退するというのがいいのかな、とも思います。他方で、引退まで間があることで、フーリガンどもの暴走を抑えることができれば…ということで、そのあたりも考えての、この時期の発表だったように思われます。

なお、当記事のタイトルは、あまりにも有名な「平家物語」の冒頭の部分を拝借しました。ただ。別に3000系が「驕っていた」というつもりは毛頭ありませんので…(滝汗

管理人も引退までには一度足を運びたいと思います。

◇関連記事
№893.これも時代の流れなのか(テレビカー廃止の公式アナウンスの記事) 
№1557.【友好ブログ】京阪の3000系といえばこっちでしょ!【記事数3000到達記念】 

※ 当記事は07/05付の投稿とします。


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