着々と進められている、JR東日本の新幹線車両の世代交代。
既にオール2階建て新幹線「Max」は、近い将来の退役が発表されていますが、このたびダイヤ改正を行い、初代MaxのE1系が完全に退役、2代目E4系は東北新幹線を追われ、上越新幹線に封じ込められることになりました。
《以下、JR東日本のプレスリリース引用》 ※PDFファイルです
JR東日本では、2012年9月に山形新幹線「つばさ」の速達化、東北新幹線「はやて」への新型車両E5系追加投入などのダイヤ改正を実施します。
既にオール2階建て新幹線「Max」は、近い将来の退役が発表されていますが、このたびダイヤ改正を行い、初代MaxのE1系が完全に退役、2代目E4系は東北新幹線を追われ、上越新幹線に封じ込められることになりました。
《以下、JR東日本のプレスリリース引用》 ※PDFファイルです
JR東日本では、2012年9月に山形新幹線「つばさ」の速達化、東北新幹線「はやて」への新型車両E5系追加投入などのダイヤ改正を実施します。
このたび、ダイヤ改正の詳細がまとまりましたので、お知らせします。
≪ダイヤ改正の主な内容≫
○山形新幹線「つばさ」の速達化~東京~山形間 最短2時間26分!
○東北新幹線への新型車両E5系追加投入
○上越新幹線輸送力増強
≪ダイヤ改正日≫
2012年9月29日(土)
《以上、引用終わり》
詳細はJR東日本の公式HPを参照していただきたいのですが、個人的な注目点は、E5系の追加投入はもちろんですが、やはり「つばさ」速達化とこれに伴うE4系東北新幹線撤退、それとE1系の完全退役です。
まずE5系の追加投入ですが、同系で運転される「はやて」が大幅に増えることになります。それは結構なのですが、以前あった「はやて」から「はやぶさ」への愛称の移行の話はどうなったのでしょうかね? 「はやぶさ」は東海道の「のぞみ」と同じように、特急料金を割り増ししていますので、その性格の違いで両者が並存することになったのでしょうか。また、「はやて」は運転開始から今年で満10年を経過することから、沿線でもそれなりに定着していることも理由なのでしょう。
ただ、注目点は盛岡-新青森間のみ運転の列車について、グランクラスは閉鎖する(とみられる)ことです。区間列車の「なすの」は営業するにもかかわらずこちらは…というのは、やはり沿線の優等車の需要が少ないのでしょうね。それはそれとして、このような短距離の列車では、国際線用の飛行機を国内線で使うときのように、グランクラスも一般グリーン車として営業した方が、いい商売ができるような気がするのですが。
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さらに勢力を拡大する
次に「つばさ」速達化ですが、これは併結相手をE4系からE2系に変更・統一することで、新幹線区間の最高速度を240km/hから275km/hに引き上げ、到達時分の短縮を実現したものです。これに伴って、E3系とE4系が併結していた「やまびこ・つばさ」は見納めということになります。と同時に、E4系は東北新幹線から完全撤退し、上越新幹線に集結することになります。
E4系が東北から撤退することで、東北はE2・E3・E5系という足の速い車両にそろえることができ、ダイヤの高速化に寄与します。
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この姿ももう見ることができなくなる
そして上越新幹線の輸送力増強ですが、これは東北からE4系を持ってきて対応するとのことです。
このE4系上越集結に伴い、遂にE1系が退役するということです!
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遂にこの大柄な車体が見られなくなる
思えばE1系は、通勤需要の増大と東京駅ホーム容量の少なさを両立させようと、最大限の定員確保を狙った「詰め込み仕様」の車両でした。その発想は、航空機のボーイング747に近いものがあります。あちらも羽田空港などの混雑空港の容量にかんがみ「少ない便数でたくさんの乗客を運ぶ」ことに特化された機材でしたが、E1系も同じ。ただ747と異なるのは、連結両数を変えることができる鉄道の特性を生かし、2編成併結を可能にして輸送力の柔軟性を持たせた
E4系を登場させたこと。
しかし、現在は少子高齢化や人口の都心回帰現象などにより、新幹線通勤を必要とするほどの遠方から通勤する人は減っているといわれています。また、在来線普通列車にグリーン車が連結され、しかもそれが定期券でも乗車可能になったことで、通勤に関する新幹線のアドバンテージが失われているともいわれています。このような状況下では、輸送力の大きいE1系は使いにくくなったのでしょう。それでも上越新幹線の高崎以南は非常に混雑するため、そこにE4系(2編成併結)を投入する意味があるのでしょうね。
特異な風貌の「オール2階建て新幹線」も、終焉のときが着々と近づいています。
最後に。
2階建て新幹線Maxの勢力縮小に気をとられていますが、
200系
の去就も注目されますよね。
既に上越新幹線にしか残っておらず、その終焉も刻一刻と迫っていますが、こちらに関する発表は今のところありません。
ですが、この車両も勢力の縮小は不可避でしょう。最後まで残るのはどの編成かにも興味があります。
ちなみに、200系は、現在の新幹線で現役で残る最後の直流電動機装備車両なんですね。200系が退役すると、新幹線車両は東日本・東海・西日本・九州全てで交流誘導電動機の装備車両となります。このような技術的な意味合いでも200系は注目ですね。
世代交代は世の習いですが、どういう形になるのか、ダイヤ発表が楽しみになりました。
◇関連記事
№600.Ride on time~MAXIMUM AMENITIES
№1371.「はやこま」の「はや」、「はやて」から「はやぶさ」へ
№1529.新青森開業と「はやて」廃止へのカウントダウンが始まった
※ 当記事で掲載している写真は、全て以前の記事からの転載です。
《以上、引用終わり》
詳細はJR東日本の公式HPを参照していただきたいのですが、個人的な注目点は、E5系の追加投入はもちろんですが、やはり「つばさ」速達化とこれに伴うE4系東北新幹線撤退、それとE1系の完全退役です。
まずE5系の追加投入ですが、同系で運転される「はやて」が大幅に増えることになります。それは結構なのですが、以前あった「はやて」から「はやぶさ」への愛称の移行の話はどうなったのでしょうかね? 「はやぶさ」は東海道の「のぞみ」と同じように、特急料金を割り増ししていますので、その性格の違いで両者が並存することになったのでしょうか。また、「はやて」は運転開始から今年で満10年を経過することから、沿線でもそれなりに定着していることも理由なのでしょう。
ただ、注目点は盛岡-新青森間のみ運転の列車について、グランクラスは閉鎖する(とみられる)ことです。区間列車の「なすの」は営業するにもかかわらずこちらは…というのは、やはり沿線の優等車の需要が少ないのでしょうね。それはそれとして、このような短距離の列車では、国際線用の飛行機を国内線で使うときのように、グランクラスも一般グリーン車として営業した方が、いい商売ができるような気がするのですが。

さらに勢力を拡大する
次に「つばさ」速達化ですが、これは併結相手をE4系からE2系に変更・統一することで、新幹線区間の最高速度を240km/hから275km/hに引き上げ、到達時分の短縮を実現したものです。これに伴って、E3系とE4系が併結していた「やまびこ・つばさ」は見納めということになります。と同時に、E4系は東北新幹線から完全撤退し、上越新幹線に集結することになります。
E4系が東北から撤退することで、東北はE2・E3・E5系という足の速い車両にそろえることができ、ダイヤの高速化に寄与します。

この姿ももう見ることができなくなる
そして上越新幹線の輸送力増強ですが、これは東北からE4系を持ってきて対応するとのことです。
このE4系上越集結に伴い、遂にE1系が退役するということです!

遂にこの大柄な車体が見られなくなる
思えばE1系は、通勤需要の増大と東京駅ホーム容量の少なさを両立させようと、最大限の定員確保を狙った「詰め込み仕様」の車両でした。その発想は、航空機のボーイング747に近いものがあります。あちらも羽田空港などの混雑空港の容量にかんがみ「少ない便数でたくさんの乗客を運ぶ」ことに特化された機材でしたが、E1系も同じ。ただ747と異なるのは、連結両数を変えることができる鉄道の特性を生かし、2編成併結を可能にして輸送力の柔軟性を持たせた
E4系を登場させたこと。
しかし、現在は少子高齢化や人口の都心回帰現象などにより、新幹線通勤を必要とするほどの遠方から通勤する人は減っているといわれています。また、在来線普通列車にグリーン車が連結され、しかもそれが定期券でも乗車可能になったことで、通勤に関する新幹線のアドバンテージが失われているともいわれています。このような状況下では、輸送力の大きいE1系は使いにくくなったのでしょう。それでも上越新幹線の高崎以南は非常に混雑するため、そこにE4系(2編成併結)を投入する意味があるのでしょうね。
特異な風貌の「オール2階建て新幹線」も、終焉のときが着々と近づいています。
最後に。
2階建て新幹線Maxの勢力縮小に気をとられていますが、
200系
の去就も注目されますよね。
既に上越新幹線にしか残っておらず、その終焉も刻一刻と迫っていますが、こちらに関する発表は今のところありません。
ですが、この車両も勢力の縮小は不可避でしょう。最後まで残るのはどの編成かにも興味があります。
ちなみに、200系は、現在の新幹線で現役で残る最後の直流電動機装備車両なんですね。200系が退役すると、新幹線車両は東日本・東海・西日本・九州全てで交流誘導電動機の装備車両となります。このような技術的な意味合いでも200系は注目ですね。
世代交代は世の習いですが、どういう形になるのか、ダイヤ発表が楽しみになりました。
◇関連記事
№600.Ride on time~MAXIMUM AMENITIES
№1371.「はやこま」の「はや」、「はやて」から「はやぶさ」へ
№1529.新青森開業と「はやて」廃止へのカウントダウンが始まった
※ 当記事で掲載している写真は、全て以前の記事からの転載です。