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4595.「SKEの壁」は破れず~209系1000番代が千代田線直通運用から撤退へ

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(冒頭の写真は以前の記事からの転載です)

 

20年近くにわたり、常磐緩行線~メトロ千代田線で活躍してきた、209系1000番代(209-1000)。現在まで2編成が活躍する少数派であり、その少数派であるが故にか、小田急直通から外されています(冒頭の写真の『サークルE』マークはその証)。

やはり少数派であることと、小田急直通ができないことで使いにくかったのか、このたび「ありがとう209系常磐線各駅停車引退の旅」と題した旅行商品が発売されました。これはつまり、209-1000の常磐緩行線からの引退を意味します。

 

209-1000のデビュー当時は、現在のような「3社直通」などはなく、小田急車は綾瀬まででその先へは入らず、JR車も代々木上原まででその先へは入りませんでした。それが一昨年から、小田急~メトロ~JRという「3社直通」が始まり、JR車が代々木上原を突き抜けて小田急線へ、小田急車が綾瀬を突き抜けてJR線へ入るようになりました。

こうなると、「サークルE」のように制限を抱える車両は、運用上の桎梏でしかなくなります。209-1000が居場所を失ってしまうのも、ある意味で必然といえました。

以前にも209-1000に関しては、一昨年の「3社直通」開始に先立って千代田線直通運用を追われ、京葉線に転用されるのではないかという噂が立ったことがあります。このときは立ち消えになり、現在に至るまで常磐緩行線~メトロ千代田線での活躍が続いています。

しかし流石に、2編成のみの「サークルE」は使いにくくなったのでしょう。まして今年の小田急複々線完成に伴い、千代田線からの小田急直通列車は土休日には10分間隔となっていて、それには当然JR車も運用に入るため、JR車の運用の余裕がなくなっています。こうなってしまっては、なおさら209-1000の居場所がなくなるのも当たり前の話です。

 

さて次に、それでは209-1000が退役即廃車かといえば、そんなことはありません。

何と豊田に転属し、同所の中央快速線用のE233系の予備車として使われる予定だそうです。

これは、E233系の編成変更(グリーン車組込み)に伴う車両の改造の必要があるところ、その改造に伴う運用の離脱が出るため、209-1000がその穴を補うということです。

そうなるとひとつ気になることが。

 

青梅や大月には入線するのか?

 

そう思うのは、E233系にはある半自動扉の回路が209-1000にはないから。半自動扉になっていない209-1000は、冬季の車内保温に難があり、そのため青梅線直通や大月直通に入れるのはどうなのかという疑問が生じます。

しかし、E233系の先代の201系時代にも、大月乗り入れ運用が存在しましたが、201系は半自動扉ではないにもかかわらず普通に入線していました。201系の伝に倣うなら、209-1000も大月、あるいは青梅まで入る運用もあり得るのでしょう。あの鳥沢-猿橋の大鉄橋を走る209-1000も見てみたい気がしますが。

 

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№2791.帝都の地下で覇を競う「SKE」~東京メトロ千代田線の車両たち

№3543.SKEの「垣根」が壊れても…未だ「壁の中」の少数系列

 

※ 当記事は09/15付の投稿とします。


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