2月27日、8694Fが運用を離脱後、恩田送りになったということです。既に恩田(長津田車両工場)では編成がバラされ、先頭車2両が別の場所に留置されているのだとか。
8590系といえば、田園都市線に10連2編成が残存していましたが、昨年に8695Fが運用を離脱、残るは8694Fのみとなり、その去就が注目されていました。
遂に運用を離脱
↑の写真は今年の1月に撮影したもの。管理人は毎月、長津田検車区の視察に訪れていますが、実は先月訪問の際には8694Fの姿がなく、その動向が気になったことです。
それが遂に…ということで、これでもし退役であれば、東急、ばかりか日本初の軽量ステンレスカーの量産系列であった8090系の系譜が、東急では終わることになります。勿論、車両そのものは秩父鉄道や富山地方鉄道に移籍して健在ですが。
もっとも、8590系は東武に乗り入れることのできない「サークルK」であることから、ダイヤ構成上の足枷になっていたことは確かで、東急としても使いにくい存在であったことは否めません。
8694Fが退役すれば、東急に残る「サークルK」編成は、8606Fと8642Fの2編成だけとなります。
さらにもうひとつ。
8590系は2本とも行先表示器がLEDではなく幕のままでしたが、東急全体でも行先表示器の幕を堅持する編成は、これで8606Fのみとなります。また8606Fは8500系、否東急の中でも最古参の編成であり、その点でも淘汰が急がれる編成です。
こちらの編成の命運はどうなる?(真ん中が8606F)
さらに8642Fは…いや、やめておきましょう。
ここでは東急の路線から去るであろう8694Fと8590系を惜しみ、過去に当ブログで公開した画像を改めてアップすることにいたします。
このころが8590系の絶頂期でしたねえ…。しかし彼らの絶頂期は、僅か3年で終わりを迎えました。もともと8590系は、みなとみらい線乗り入れをにらみ、8090系のMT比率向上のために登場した車両だったのに。その本来の任務に就いていたのは、僅か3年でした。
本来の任務を解かれた8590系は、あるものは編成を短縮して大井町線へ転じ、あるものは10連化して田園都市線へ転じました。
8691~93Fの3本は大井町線へ転じました。
その後3本とも退役し、8692・93Fの両先頭車が富山地方鉄道に移籍、残りの車両は解体されました。写真の8591も解体され現存しません。てっきり富山に移籍するかと思っていましたが。
こちらは田園都市線に転じてからの、8694・95Fの並び。
このように、車庫で昼寝をしていることが多かったですね。やはり東武乗り入れ不可は運用上の桎梏だったのでしょう。
かつて半蔵門線と東武との相互直通運転が話題に上ったとき、管理人は8590系は間違いなく東武乗入対応改造を受けると信じて疑わなかったのですが、そうはなりませんでした。いくらメカニックが8000系列で共通とはいえども、オリジナルの8000・8500系とは異なるということなのでしょうか。
田園都市線では地味な役回りに終始した8694Fですが、8090・8590系の、「初の量産型軽量ステンレスカー」としての歴史的意義は、いささかも揺らぐものではありません。
8694Fに、労いの献杯を。
※ 当記事で使用している写真は、全て以前の記事からの転載です。また、投稿日を03/01にしております。