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2331.灰とダイヤモンド~水上駅の「SLエリア」を見る

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タイトルは古い映画から。

管理人は土合駅を訪問して水上駅に戻って参りましたが、次の長岡行きまでは間があることから、水上駅外れに保存展示されているD51 745を再度見に行きました。「再度」というのは、前日(6日)に見たから。このときは撮影はしなかったので、このとき改めて撮影となりました。

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遠目には綺麗に保たれている

テンダー(炭水車)の側から。


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やはりでかい

実はこのD51 745号機は、これまで上越新幹線上毛高原駅前で保存展示されていたのですが、昨年11月にこちらに移設したのだとか。
移設した際の写真も展示されていました。2点ノーキャプションでどうぞ。


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クレーン車で吊り上げて運んだようですが、管理人はこれを見て、ボイラー部分をクレーンで吊り上げることができるくらいだから、状態はそれほど悪くはないのでは…と思いました。なぜかというと、状態の悪い車両はクレーンで持ち上げることすらできないから。これは実話なんだそうですが、旧型客車の台枠に軽量車体を載せたスハネ16の全般検査の際、工場で車体を吊り上げたら台枠が落っこちた…という話がありますから。もっとも客車と機関車では頑丈さも違いますが、腐食・劣化が進んでしまえば吊り上げることはできなくなりますからね。

そして、こちらが745号機の説明板。ずっと高崎にあり、上越線や八高線などで活躍した、まさに「群馬のカマ」。群馬の観光の拠点である上毛高原駅・水上駅に展示場所が選ばれたのも合点がいきますよね。


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結構後年まで活躍していたようです

ところで、このエリアは、SL列車が運転される際にはSLの方向転換や整備作業を見ることのできる、いわば「SLのテーマパーク」と化します。しかし、この日はSL列車そのものの運転がなかったので、当然人はほとんどおらずひっそりしておりました。それでも、近くの国道291号線を通っていくドライバーが立ち寄る姿が見られました。

構内全体の説明板はこちら↓


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転車台と給水・灰落としなどの必要性が書かれている

「主役」のSLの姿がないのは残念ですが、せっかくですので、撮影していきましょう。
まずは、SLの向きを変える転車台。


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転車台の上も架線が張られていることに注目

写真では分かりにくいかもしれませんが、転車台の上にも架線が張られているんですよ。これは言うまでもなく、4年前まで「ムーミン」ことEF55形電気機関車を運転していたためです。EF55形は事実上の片運転台方式で(流線型でない側でも運転できなくはないのだが、走行性能がが100%発揮できない)、SLと同じように方向転換をする必要がありました。そのためにこんな「架線付きの転車台」ができたわけです。
しかし、EF55も運転を終了してしまったので、現在ここを使うのはSLだけになっています。

そして、SLが石炭を燃やして走ることから、その「燃えカス」も処理しないといけません。そこで、「燃えカス」を捨てる場所が必要となります。それがこちら↓


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黒くなっている場所が「石炭の燃えカス」を捨てた場所

このような設備は「アシュピット」といわれ、機関庫だけではなく主要駅にもありました。「アシュ」は「灰」(英語でash)、「ピット」は「地面の凹み」(pit)ですから、要するに「灰を捨てる地面の凹み」となります。

SLは石炭を燃やすだけではなく、石炭を燃やして水を沸かして水蒸気を作って走るわけですから、水も必要不可欠。てなわけで給水塔もあります↓


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意外にシンプル

SL用の給水塔だと、こんなのを連想するんですが、地下に水道が通っているのか、あるいは地下に水タンクがあるのか。だからこのようなシンプルな装備なんでしょうね。


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一畑電車・雲州平田駅の給水塔(ただし現在は不使用)
(以前の記事から転載)

さらにこちらが、SL列車に使用される牽引機の説明板。1枚目がD51 498、2枚目がC61 20です。2点ノーキャプションで。


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前日(6日)にはSL列車が運転され、管理人の乗車列車ともすれ違ったのですが、このときの牽引機は後で聞いたらC61だったとか。ただ、C61は勾配での走行に難があるらしく、横川方面への運転には使えないと聞きました。

みなかみ町は、SL列車で町おこしを図っているらしく、水上駅の売店や駅前の土産物屋さんにもSL関連商品やグッズが溢れていました。SL列車運転日はこういう商品も飛ぶように売れるのでしょうね。

【取材日】平成24年10月7日

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※ 当記事は、以前に書き貯めた記事の自動公開です。



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