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5309.解剖! キハ532形

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というわけで、今回はキハ532形を「大解剖」。

 

キハ532形は、昭和56(1981)年に新潟鐵工所(現新潟トランシス)で製造された車両。走り装置は国鉄~JRの非電化路線で多数の車両が活躍したキハ20系のそれを流用し、車体を新造したもの。したがって、この車両に乗れば、国鉄時代ではどこでも味わえた、あのDMH17のサウンドと乗り心地を堪能できることになります。ただしそれにしては路線が短すぎますが、そのことばかりは致し方ありません。

昭和56年製というと、管理人は「意外に新しいな」と思ってしまいますが、来年で満40年を迎えますから、鉄道車両としては高齢の部類に入ります。

 

車体側面のサボ。

 

「佐貫-竜ケ崎」の固定表示

 

竜ケ崎線は途中駅が1つしかなく、全列車が佐貫-竜ケ崎間の運転なので、案内表示としてはこれで十分なのでしょう。

車体色はご覧いただいてお分かりのとおり、オレンジがかったクリーム色に、オレンジ色と黒の帯。これは以前の関鉄標準カラーだったもので、現在の関鉄の車両は、白地に赤と青の帯の「KaNaC」カラーとなっています。

 

昭和56年製であることを示す証拠品がこちら。

 

車内の銘板

 

車内の全景がこちら。

 

簡素なロングシートが展開

 

クリーム色の化粧板にワインレッドの座席という取り合わせは、親会社の京成電鉄の「赤電」、3300形以前の車両を彷彿とさせます。しかし、車内の中央に立ち上がっている排気管がいかにも特徴的で、この排気管の存在が、この車両が電車ではなく気動車であることを物語っているようです。

そして、上の写真でもお分かりだと思いますが、この車両は何と(といっては失礼か)冷房化がなされています。冷房装置は、JR各社がキハ40系を冷房化したときに使われたものによく似ています。

 

冷房装置のアップ

 

昭和の時代とは異なり、最近の夏は暑さが過酷になっていて、猛暑日(最高気温35℃以上)も多くなっていますので、冷房装置は必須の装備、マストアイテムといえます。

 

そして、現代の鉄道車両の、もうひとつのマストアイテムといえばこちら。

 

車内案内表示器

 

かつての営団地下鉄01系などにあった、マップ式の案内表示装置の、それをさらに簡素にした簡易型ですが、なるほど、これなら必要最小限の装備で、十分な案内ができます。

ちなみに、上の写真で出っ張っているのは運転台がある箇所ですが、キハ532は運転台が片側、各駅にホームのある側しかありません。したがって、竜ケ崎方(写真)の運転台の位置は、通常の鉄道車両の左側ではなく右側にあります。

ホームが片側にしかないということは、竜ケ崎方左側の客用扉は無用の長物となるはずで、現にこちら側の客用扉をなくして客室スペースを増やしたらどうかと考えられるところ。しかし実際には、そのような車両を新造しようとするとコストがかさんでしまうため、両側に客用扉がある車両の方がいいのだとか。それに普段は使わない客用扉でも、非常口としての用途もあります。

 

車窓は割愛しますが、途中の入地ではほとんど乗降がなく、10分もせずに竜ケ崎へ。

竜ケ崎線は全路線がほぼ平坦なので、キハ20系のDMH17系エンジンでも十分な印象を受けました。とかく評判の悪いエンジンですが、平坦な路線で距離が短ければ、まだまだ十分に使えるのでしょう。

しかし音は結構なもので、まるで吊り掛け式の電車かと思うような轟音を発しながら走っていたのは印象的でした。

 

キハ532の今後ですが、来年で満40年になります。しかし特に老朽化などは感じませんし、平坦かつ短い路線なので走行キロ数もそれほどでもありませんから、今後もキハ2000系の予備車としての活躍が続くものと思われます。

 

竜ケ崎駅では、120周年記念の写真展が行われておりました。次回は、その様子をレポします。

 

※ 当記事は10/16付の投稿とします。


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