今年のダイヤ改正。
JR各社は既に昨年末のうちに概要が発表され、内容も昨今の情勢を反映して後ろ向きな内容となっていますが(恐らく国鉄時代から通算して、41年ぶりの総列車キロ数減少のダイヤ改正になるはず)、大手私鉄各社でもそれは例外ではないようです。このところ、大手私鉄各社でもダイヤ改正の概要が発表されていますが、管理人が最も驚いたのが、西鉄のダイヤ改正。何と平日日中には全く特急が走らなくなるという衝撃的な内容。コロナ禍に伴う乗客減もここまで深刻なのか…と思ってしまいます。
今回取り上げるのは西鉄ではなく、管理人のホームグラウンドである東急のダイヤ改正。やはりご多聞に漏れず、減量傾向が強い内容となっています。
詳細は↑のリンク先をご参照願いたいのですが、管理人なりに気づいた点をいくつか。
【全体】
減便傾向が目立つ。終電の繰り上げは言うに及ばず、特筆されるのは昼間時間帯の列車の減便。このため、田園都市線・池上線・東急多摩川線・世田谷線では運転間隔が開く。これに対し、東横線・目黒線は目立った減便はない。
【田園都市線】
特に変化が激しいのが田園都市線。以下のとおり、日中のダイヤパターンが変更される。
《渋谷発下り》
・現行:急行4、準急2、各停8
・改正後:急行3、準急3、各停6
《中央林間発上り》
・現行:急行6(うち大井町行き2)、準急2、各停6
・改正後:急行6(うち大井町行き3)、準急3、各停6
現行の田園都市線は、30分サイクルでダイヤが構成されていますが、これが急行が3本/時になることで、20分サイクルでの構成になるものと思われます。しかしそうなると、二子玉川-長津田間の優等列車と長津田-中央林間間の各停が9本/時になってしまい、綺麗なサイクルにはならないでしょう(準急は長津田-中央林間間各駅停車)。直通先のメトロ半蔵門線が5分間隔(12本/時)を維持するのであれば、1時間に2本ある渋谷発着の各停は廃止になる可能性が高いといえます。
ということはですよ。
東急もそうですが、乗り入れ相手のメトロ・東武も所要の運用数が減少することになりますので、この車両も半直系統から撤退することになるかもしれません。
東上線へ転属?
30000系全15編成のうち、14編成までもが東上線に転属していて、本来の任務である半蔵門線直通運用に就いているのは1編成のみとなってしまいました。それが運用減ということになれば、東上線への転属は間違いないものと思われます。
そして管理人が危惧しているのが、この車両の勢力の縮小。
もしかして:「代替編成の投入なき退役」があり得る?
日中のみならずラッシュ時においても運用数減少ということになれば、残存する8500系の編成数と同数の2020系を投入しなくとも、8500系を退役させることが可能になります。つまり、運用数減少により「代替編成の投入なき退役」が発生するのではないかと。このような現象は近鉄の特急用車両などで見られましたが、8500系にも発生する可能性があります。それをおくとしても、ダイヤ改正以降は8500系の稼働率が激減することは間違いないでしょう。全てはラッシュ時の運用数次第ですが。
次に、運転系統の面で田園都市線と密接に関連する大井町線を見てみましょう。
【大井町線】
こちらも日中のダイヤパターンが見直されます。現行ダイヤでは、急行4・各停10となっているものが(大井町発下り)、改正後は急行3・各停9となります(同)。
そして田園都市線の項目で述べたとおり、中央林間発の大井町直通急行はダイヤ改正後は3本/時になりますから、日中は大井町線の急行が全て田園都市線直通・中央林間発着ということにもなります。
こちらは急行が日中全て大井町-中央林間間の運転となる
急行が3本/時となっているところからみて、田園都市線と同じように、現行15分ごとのサイクルが20分ごとに改められるのでしょう。しかし各停が9本/時となると、不等時隔になりますが、どうなるでしょうか。20分サイクルを維持するのであれば、各停10でもいいような気はしますが。
最後に、池上線などを取り上げます。
【池上線・東急多摩川線・世田谷線】
日中のダイヤパターンについて、6分間隔を7分~8分間隔に変更。
これは現行の10本/時を8本/時に変更し、1時間当たり2本を減便するダイヤパターンに変更するということです。
となれば、こちらの車両も日中の運用数が減少することになります。
1000系にも余剰車が出るかは…
詳細は、追って発売される「東急線電車時刻表」、あるいは間違いなく発売されるであろう「東京時刻表」などで確認しなければなりませんが、田園都市線のダイヤ構成と車両運用が大きく変わることは、間違いなさそうです。
【おことわり】
当記事で使用している写真は、全て以前の記事からの転載です。
※ 令和3年1月30日 本文を一部訂正