平成31(2019)年3月実施のダイヤ改正から、それまで走っていた常磐緩行線から中央快速線での活躍を開始した209系1000番代。2編成ありましたが、2編成とも中央快速線に転用されました。転用の理由は、平成28(2016)年から小田急への相互直通運転を開始し、小田急に乗り入れることのできない209系1000番代が運用上の桎梏になったことと、中央快速線用E233系のグリーン車組み込み準備工事のため、予備車確保の必要があったからでした。
既に転用から2年以上が経過したにもかかわらず、管理人は遭遇する機会に恵まれなかったのですが、今日(6月26日)、水道橋から神田まで移動する際に遭遇しました。
車幅が狭い
E233系シリーズは、常磐緩行線用の2000番代以外、全て2950mmの広幅車体ですが、209系1000番代は2800mmの、裾絞りのないストレート車体。これは勿論、乗り入れ先の東京メトロ千代田線の車両限界に制約されているためです。
走り去る209系1000番台を後追いで。
もうちょっと転用が早かったら
お隣の京浜東北線こそ、209系の投入第1号の路線で、平成22(2010)年まで走っていましたから、それまでに転用されていたら、もしかしたらここで京浜東北線用の0番台との邂逅が実現していたかもしれない?
ここで管理人は、東京駅で折り返してくるのを待ち構えていました。冒頭の写真及び以下の写真は、折り返して神田駅に入線してきた後のものとなります。
側面の行先表示を見てみます。
こちらは、路線名(中央線)と行先が交互に表示されますが、E233系一族のフルカラーLEDとは異なり、3色LEDとなっています。
以下、路線名表示と行先表示をノーキャプションでご覧いただきましょう。
いかがでしょうか。
E233系に比べると、視認性はやや劣るように思います。
なお、内装は乗客が多数いたため、撮影することはできませんでしたが、車内の広告以外は常磐緩行線時代と変わっていないような気がしました。しかしこの車両の、グレーの壁に濃紺の座席というのは、どうしても無機質な印象を与えられるように思います。どう見ても、病院の入院病棟のようなイメージしかないのですよ。好きな方には大変申し訳ないんですが。鉄道趣味界には、209系以降のJR東日本の通勤車を嫌う人たちがいるようですが、その理由は、ことによると無機質な印象を与える内装にあるのではないかとも思ったり。
最後におまけ。
209系1000番台と、E353系の離合。
わかるかな?
何とか同一のフレームの中に収めることができました。とんでもなく無理やりですが。
ところで、中央快速線では令和5(2023)年度までにグリーン車の連結を実現するとのことですが、これが実現した暁には、209系1000番代は恐らく「お役御免」となるのでしょう。現時点でも209系は淘汰が進行しており、かつ少数派番代であることから、「お役御免」=退役となるような気がします。
通常時は東京-高尾間の運転に限定されていて、青梅や大月には原則として顔を出さないことになっていますが、「お役御免」になる前に一度くらいは、あの猿橋の大鉄橋を営業列車として渡る209系1000番代を見てみたいものです。
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