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5817.【6500形デビュー・8連化の陰で】都営三田線から消える「あるもの」とは【消えます】

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冒頭の写真は、都交通局6300形(6310編成)です。車号からお分かりのとおり、この編成は2次車。6300形は全部で37編成ありますが、第1~13編成の1・2次車(以下『初期型』という)は、第14編成以降の3次車(以下『後期型』という)とは様々な仕様が異なっています。

 

4月1日から東急目黒線~東京メトロ南北線~埼玉高速鉄道(SR)の直通系統に8連が走り始め、同じ東急目黒線のもうひとつの直通系統でもある都営三田線でも、8連の運転開始が待ち遠しい今日このごろ。既に、新型車両・6500形のデビューを05/14とすることは、都交通局大本営からアナウンスされており、同時に乗り入れ相手の東急の車両も8連化された編成が乗り入れるものと期待できます。

さて、6500形は13編成が導入される計画になっていますが、この13編成という数、6300形初期型の編成数と同数。つまり計画どおり6500形の導入が進めば、同じ数の6300形初期型の編成が退役することになります。

 

前置きが長くなりました。

そこで今回取り上げるのが、6300形初期型の退役によって、見られなくなる仕様。

その「見られなくなる仕様」こそがこれ↓

 

車端部のクロスシート

 

6300形の初期型の車には、各車にクロスシートが1ボックスずつ設けられています。

 

シートピッチは広いが背もたれが低い

 

こんなものを設けたのは、都交通局と営団地下鉄(当時)・東急との乗り入れ協定に基づいてのこと。つまり、当初この路線では東急は9000系を使うつもりでいたため、同系に合わせてこのような仕様になったわけです。しかし東急9000系は南北線にも三田線にも直通せず、実際に直通したのは3000系。この車両にはクロスシートがありませんでした。当の都交通局でも、平成11(1999)年から投入を再開した6300形後期型(第14編成以降)では、クロスシートを止めオールロングシートに改めています。

なお、営団地下鉄(同)が南北線開業用に用意した9000系の試作車及び初期型にも、このようなクロスシートがありましたが、こちらはリニューアル工事に際して普通のロングシートに改められ、メトロの車両からはクロスシートは消えました。

 

現在、東急目黒線を走る車両の中では唯一残る車端部のクロスシートですが、ここで冒頭に述べたとおり、6500形と同じ編成数の6300形初期型が退役するとなれば、初期型にしかない車端部のクロスシートは、6500形のデビューと引き換えに消えることになります。

それでも、例えば「初期型の編成をバラして後期型の編成に組み込んで8連化する」などすれば…とも思いますが、都交通局はそういうことをする気はないようですし、仮にそのような編成替えを行ったとしても、後期型編成に組み込む初期型車両には何らかのリニューアル工事を施すものと思われ、その点でもクロスシートの存続は望み薄と言わざるを得ません。

 

車端部のクロスシート、多くは優先席に指定されているため、混雑時の着席は憚られるかもしれませんが、最後に体験しておく価値はあると思います。

 

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