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Channel: さすらい館
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2416.「女子力」で活性化~由利高原鉄道に乗る

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山形・秋田ツアーの2日目。
この日は、鶴岡8時58分発823Dから始めます。
この列車は新津始発で、しかも「ムーンライトえちご」から接続、酒田で秋田行き541Mに連絡するため、いわゆる「18キッパー」の利用が多い列車でもありました。
そのため、2連の823Dは結構混雑していたのですが(それでもなんとか管理人は座れた)、酒田からの541Mは3連だったので座席定員にも余裕があり、ゆったり座ることができました。

酒田を発車して約1時間後の10時42分、541Mは羽後本荘へ。


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羽後本荘駅で降りるのは初めて

余目以北の羽越線は、管理人は乗車経験がありますが、それもJR発足前の昭和62(1987)年3月のことで、実に25年ぶりのことになります。
この駅で降りたのは、由利高原鉄道・鳥海山ろく線に乗車するためでした。この路線は元国鉄矢島線で、JR発足前に第三セクターに転換されています。

10時47分発の7Dは、2両編成で羽後本荘駅4番ホームに据えつけられていました。
その2両目は下の写真のとおり、車体側面に鳥海山を描いた車両だったのですが、この車両は何と…!


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ある目的での特別増結車だった

その目的とはこれ↓ (あえてノーキャプションで)


DVC00847.jpg


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クリスマス列車だったわけですね。1両目が一般客の乗る普通の車両、2両目にはこのようにクリスマスの装飾を施した車両が連結されておりました。
で、クリスマス装飾の車両は一般客が乗れるのか、と思ったら、このときは地元の子供たちがお母さんと一緒に乗車し、クリスマスパーティーを楽しんでおりました。よって一般客はNGということに(ただし、トイレはこの車両にしかないのでトイレの使用は可能でした)。なお、上2点の写真はアテンダントさんの許可を得て撮影しております。

ちなみに、チケットはこんなものを買いました。


121222_105119.jpg
「楽楽遊遊乗車券」なる名称の一日乗車券(実況中継記事から転載)

この切符、裏側はこうなっています↓


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ポストカード?

何と、絵葉書のように、切手を貼れば投函が可能になっているんです。
しかしこれ、どういう需要を想定しているんでしょうね。

ちなみに、これを売っていたのは、地元の女性が務めるアテンダントさん。クリスマスシーズンのためか、サンタクロースのコスチュームに身を包み、それはそれはかいがいしく動き回っておりました。管理人もこの切符の他、携帯ストラップを購入しました(決してアテンダントさんの美貌にほだされたわけではありません(^_^;))。

10時47分に発車。これまで乗ってきた羽越線とは反対の方向に走り出したことに驚き。次の薬師堂を出ると羽越線と離れ、本荘地区の平野部を鳥海山に向かってひた走ります。
そして、車窓には子吉川が。この路線は大半が子吉川に沿って走っており、川沿いの美しい景色が見られます。


DVC00840.jpg
水墨画のような子吉川沿いの景色

唯一の交換可能駅・前郷で羽後本荘行きと交換、さらに鳥海山が迫ってきます。
後ろのクリスマス装飾車両では、トンネル通過時に照明を消し、イルミネーションを見せる演出があったようですが(車両越しに見えました)、こちらは一般客乗車車両のため、そんなアトラクションはありません。

11時26分、終点・矢島駅に到着。


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矢島駅駅舎(実況中継記事から転載)

この駅には、名物おばさん…というか、まつ子さんという名物お姉さまがいらっしゃいます。まつ子さんといっても、もちろんデラックスなお方とは何の関係もありません。到着した乗客に、桜茶を振舞っておりまして、管理人もご相伴にあずかりました。
マツコさんは、以前に様々なメディアで取り上げられたことがあり、管理人もテレビで拝見したことがあります。その他にも新聞などで取り上げられたようです。

以下、「まつ子の部屋」と称した矢島駅売店兼観光案内所の光景を2点、ノーキャプションでどうぞ。


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実は、管理人は屋島駅到着後、ここから行ける温泉施設への訪問を計画しておりました。
しかし、まつ子さん曰く、送迎バスは予約制とのことで、当日出してもらえるものではないのだとか。仕方ないので訪問は諦め、11時52分発の12Dでそのまま帰ることにしました。
12Dは先ほどの列車の折り返しですから、編成も同じ。当然クリスマストレインがつながれているわけですが、こちらは往路と同じく団体客優先でした。
12時33分に羽後本荘へ帰還。楽しかった由利高原鉄道の旅が終わりました。

感想。
ローカル鉄道の活性化はどこも取り組むべき切実なテーマですが、由利高原鉄道はアテンダントさんや矢島駅のまつ子さんによる「徹底した『おもてなし』」で来訪者をつかもうとしているようでした。管理人が訪問した際にはサンタ姿でしたが、普段は秋田おばこの姿なのだとか。
赤字ローカル線の存続運動となるとどうしても「乗って残そう」の運動が主流になりがちですが、由利高原鉄道はただ「乗ってもらう」だけではなく、遠来の訪問者をもてなす、という発送になっているところが、通り一遍の「乗って残そう運動」とは一線を画しているように思われます。巷で「女子力」などといわれていますが、アテンダントさんやまつ子さんの奮闘はまさしく「女子力」。これが由利高原鉄道活性化のパワーの源泉になっているのは、疑いないところです。
沿線人口も少ないようでなかなか大変だとは思いますが、是非とも頑張って欲しいものです。

羽後本荘到着後は、向かい側に停車していた2543M(701系2連)に乗車。羽後本荘駅始発のためか「18キッパー」はもちろん、旅行者らしき人もほとんどおらず、本当の意味のローカル列車に乗車しました。
秋田駅到着後は、駅前でバスの撮影をします。

※ 当記事は、以前に書き貯めた記事の自動公開です。



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