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Channel: さすらい館
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3512.こちらの「3社直通」は終焉へ~大阪発着「しなの」にまつわる極私的クロニクル

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冒頭の写真は、名古屋駅で発車を待つ383系特急「しなの」です(以前の記事から転載)。

来る「3.26」で、「しなの」の大阪発着がなくなり、全列車名古屋発着に統一されます。これにより、昭和46(1971)年から45年間続いてきた、大阪-長野間の直通列車がなくなることになります。
大阪発着の「しなの」ですが、現在JR在来線昼行特急で唯一となった、JR3社にまたがって走る特急列車として、また上り「しなの16号」は在来線最長距離を走る昼行特急として、愛好家の注目を浴びてきました。特に大阪方面行きは、最長距離もそうですが、大阪発着の「ひだ」とともに、前面展望の得られる車両での新垂井別線通過となることから、こちらの観点からも乗車派の愛好家の注目を集めました(新垂井別線を通過する昼行特急は『しらさぎ』があるが、あれは前面展望が得られない)。
鉄道趣味界では、東京メトロ千代田線を挟んだ小田急線とJR常磐緩行線の「3社直通」開始が耳目を集めていますが、こちらの「3社直通」は終了してしまうことになります。

実は管理人は、大阪発の「しなの」に1度だけ、大阪-長野間を乗り通したことがあります。
乗車したのは平成16(2004)年の2月ですが、そのときは前日に神戸で仕事があり、その後長野に移動する必要があったためですが、この機会に大阪発着「しなの」を利用しようと思い、大阪駅から乗り込みました。
覚えているのは、当時でも大阪や京都から乗ってくる人はそれほど多くなく、しかも車内販売も名古屋からの営業ということで、名阪間は完全なローカル特急でした(今は車内販売も全廃されてしまいましたが…)。名阪間であれば、速く行きたい人は新幹線、そうでない人やミナミ方面に用のある人は近鉄特急を使うでしょうから、そもそもそこに「しなの」の割って入る余地はないんですな。でも在来線の景色は堪能しましたけど。
名古屋で大量乗車があり、やっとこさ特急らしくなりました。あとは木曽路の山の中を走って塩尻へ達してJR東日本区間へ足を踏み入れ、松本ではまとまった数の下車があり、姨捨からの雄大な風景を堪能し、長野に到着。所要5時間弱ですが、全く疲れを感じませんでした。もっとも、疲れを感じなかったのは管理人が愛好家だからで、一般のお客が5時間近くも乗り通すかといえば、それは違うでしょうし。

「しなの」の大阪発着がなくなる理由について、相次ぐ新幹線の開業が理由とされています。
既に平成9(1997)年の時点で、大阪-長野間では長野新幹線(現北陸新幹線)の開業に伴い、「のぞみ」と「あさま」の乗り継ぎの方が速くなってしまったことで、直通列車の運転の意義が怪しくなっていたのですが、今度は北陸新幹線金沢開業により、「サンダーバード」と「かがやき」の乗り継ぎでも「しなの」より速くなるため、いよいよ存在意義を失った…というものです。
確かにJR東海にしてみれば「速くて快適な新幹線をご利用ください」でしょうし、JR西日本にしても「サンダーバード」と「かがやき」を乗り継いでもらった方が収益は大きいですから、「しなの」を他社に直通させる意味がなくなったのでしょう。
大阪発着「しなの」の廃止により、JR3社を跨ぐ在来線昼行特急は消え、在来線最長距離を走る昼行特急は九州の「にちりんシーガイア」になります。

「3.26」の前日、大阪発着の「しなの」はこの日に大阪駅を出る9号、長野駅を発車する16号が最後になります。
あと1日となりましたが、どうか無事に運転を終了しますように。

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