不定期でお送りしております「バス折返所の表情」シリーズ。
今回は、見沼台親水公園駅(旧・舎人二ツ橋終点)ともども都営バス最北の折返所となる、足立清掃工場を取り上げます。
この場所そのものは、以前の記事で取り上げたのですが、そのときは「乗りバス」で都営バス最南端の大田市場から最北端の足立清掃工場(本当の最北端はここの1つ先の『水神』というバス停なのだが…)まで乗り継いだ際の記事でしたし、写真も日没間際だったので鮮明でないものが多く、折返所としての足立清掃工場を取り上げたものとしては不十分でした。そこで、今回改めて取り上げることにいたします。
ここには北千住駅からの都営バス「北47」系統が乗り入れていますが、同系統は北千住駅-足立区役所前-竹ノ塚駅がメインで、足立清掃工場へ向かう便は僅少になっています。それも、保木間仲通り-竹ノ塚駅間は折り返し運行ですから、北千住駅や足立区役所などから乗り通すと、その分余計な時間がかかります。かつての特急「おおぞら」の千歳空港(現南千歳)-札幌間の折り返し乗車みたいですが。
清掃工場の折返所というのが分かる写真がこちら。
ド逆光
影でお分かりかと思いますが、完全なド逆光ですw
以前の記事でも触れていますが、ここは乗車バス停と降車バス停が離れています。こちらは乗車バス停。
乗車バス停は立派
冒頭の写真をご覧いただくと、立派な待合スペース、それも10人くらい腰掛けて待てるスペースがあることがお分かりいただけるかと思いますが、果たしてそこまでの乗客はいるのでしょうか。
ちなみに、上の写真でいうと電信柱のあたりに、降車バス停があります。
こちらがその降車バス停↓
こちらは素っ気無い仕様
乗車側は立派な行灯型ですが、こちらは降車専用なのでしょうがないですね。
以下は、ここで見つけた不思議なもの。
その1。パッと見ただけだと、何の変哲もない立て看板と思ってしまいますが、左下の営業所名にご注目あれ。
巣鴨営業所?
何故ここに巣鴨営業所名義の立て看板が…と思います。「都営バス資料館」の中の「路線データ」の「北47」の項目を見ると、都営バスが足立清掃工場まで路線を延ばしたのは昭和50(1975)年10月1日のこと。担当営業所は、現在と変わらぬ千住。
ではなぜそこに巣鴨が…と思ったのですが、この立て看板には場所などが記載されておらず、都営バスの「通路」であればどこでも使えることから、どこか廃止になった折返所から移植したんでしょうか。
その2。
なぜか降車停留所付近にあった、「王49」の鹿浜橋バス停の時刻表。
何故こんなものがここにw
いや~懐かしいですね。昔の都営バスのバス停は、このように路線案内と時刻が筆文字で書かれていたものです。「千住車庫」なんて達筆です。このような筆文字は立て看板でも見られましたが、平成の初期のころに姿を消しています。恐らく「職人さん」もいなくなってしまったのでしょう。今は印刷技術の進歩により、多種多様な印刷が低コストで可能になっていますから。
それにしても「王49」が駒込駅発着であることは驚きです。同系統の駒込-王子間が廃止されたのが、同区間の地下鉄南北線の開業と引き換えに、平成3(1991)年11月29日ですから、この時刻表はそれ以前のものということになります。新橋駅の「橋14」が記されたバス停ポールと同様、よくぞこんなものが残っていたなあと思いますが、こういうのはある日突然消えてしまいますから、見かけたら記録しておきたいところです。勿論、あくまで「撮る」だけ。「盗る」のは犯罪なので止めてください。
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