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3823.Decade~あれから10年経ちました 私鉄編

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「Decade」、前回はJR編だったので、今回は私鉄編。

 

関東大手私鉄をとってみても、10年前はこれだけの車両が現役でした。

 

・ 京急旧1000形

・ 東急8000系

・ 小田急5200形、10000形HiSE、20000形RSE、9000形(※)

・ 西武101系(本線系運用)、3000系

・ 東武8000系(本線系運用)、5050系(※)

・ 京成3300形「赤電」

・ 相鉄5000系

・ 東京メトロ5000系(東西線)

(※は2006年中に退役したもの)

 

これだけの車両が10年間の間に退役したことになるのですね。

特に、東急では東横線・大井町線で8000系が最後の活躍を続けていたときで、数こそ減ったものの地上の渋谷駅に出入りしていました。東武の8000系も、浅草や池袋で普通に見ることができました。地上の渋谷駅はなくなってしまい、現在の東横線には「桜木町を知らない世代」どころか、「地上の渋谷駅を知らない世代」すら出現してしまっていますので、今の地下の渋谷駅に8000系が来ないことは、それほどの違和感はありません。しかし、東武の浅草駅や池袋駅は10年前と変わらない場所ですから、ここに8000系が来ないのは、今でも信じられません。

その他、京急旧1000形も一時代を築いた名車。京急で1000形といえば、今の若い愛好家の方々はあの丸っこい前面の車両を連想するのでしょうが、管理人にとっては1000形といえばあの「赤い電車」なのです。一部車両が琴電で現役なのは喜ばしい限りです。

小田急では「小田急顔」の5000系列が退役し、そればかりかロマンスカーも2車種が退役を余儀なくされています。ロマンスカー2車種の退役は、老朽化というよりはバリアフリーに対応できなかったことが理由ですが、それが故の早過ぎる退役であり、実にもったいないと思ったことです。その他に小田急では、10年前に初代の地下鉄乗入れ車だった9000形が退役し、地下鉄乗り入れの任務は1000形に引き継がれました。現在は4000形に引き継がれ、その4000形は、9000形がなし得なかった常磐線への乗り入れを実現させています。

西武・京成では、まさに「西武スタイル」「京成スタイル」といえる、会社を象徴する通勤車が退役していき、現在はステンレス車・アルミ車に置き換えられています。東京メトロでも、営団から引き継いだ5000系が消え、「営団地下鉄」がまた遠くなった感があります。

 

関東以外の大手私鉄をとってみても、名鉄では7000系「パノラマカー」一党がまだ現役でしたし、阪急6300系も数を減らしたとはいえ、京都線特急で最後の活躍をしていました。同じ阪急では2300系もまだ現役。

京阪では旧3000系が1編成だけ残り、近鉄もやはり1編成だけの3000系が京都・橿原線で活躍していました。西鉄では格下げ改造を受けたとはいえ、2000形が急行運用で気を吐いていました。

 

総じて、大手私鉄の10年間は、「その私鉄を象徴するスタイルの車両が退役していった」10年間だったのではないでしょうか。まだ関東以外の大手私鉄では、阪急が1000系・1300系を投入したり、阪神が5700形を投入したり、はたまた西鉄が3000形を投入したりするなど、その私鉄らしさは随所に残っていますが、関東大手私鉄では「E231系スタイル」「日車ブロック工法」「日立A-train」の3つに収斂しつつあります。その結果、関東大手私鉄は車両の見た目には大差がなくなり、「個性がなくなった」などといわれる原因になっています。もしかしたら、今後の関東大手私鉄は、バスや航空機のように、カラーリングや内装での差別化が図られるようになり、愛好家の興味はそちらの方へ移っていくことになるのでしょう。既にその兆候は表れていますが、今後はより深度化するように思われます。

 

それよりも問題だったのは、地方私鉄路線の相次ぐ廃止です。

大手私鉄でも、名鉄は10年前のさらに1年前、平成17(2005)年までに不採算路線を全て切り捨てていますが、当ブログ発足後はこれだけの路線が廃止されています。

 

・ 北海道ちほく高原鉄道(◆)

・ 神岡鉄道

・ くりはら田園鉄道

・ 鹿島鉄道(☆)

・ 三木鉄道

・ 高千穂鉄道(◆)

・ 長野電鉄屋代線(☆)

・ 十和田観光電鉄線(☆)

(◆は管理人が乗車経験のあるもの、☆は当ブログでレポしたもの)

JRでは岩泉線、江差線木古内-江差間、留萌本線留萌-増毛間。いずれも管理人自身乗車経験があります。

 

いずれも乗客減又は貨物取扱消滅、あるいはその両方に伴う経営難が理由で廃止されたものですが、民間企業の経営であればそれもやむを得ないことでしょう。地元住民の福祉に資するのが使命と言ってみたところで、そのような使命はあくまで「企業の社会的責任」の範疇の中で果たし得れば済むことだからです。

問題はむしろ、国や自治体が福祉・国防のインフラとしての鉄道をどう考えるかでしょう。この問題は「国鉄の分割民営化は正しかったのか」などの回答不能な難問に突き当たりますので、問題を指摘するだけにとどめておきます。

 

これもかなり駆け足でしたが、私鉄編はこれで終了。

あとは航空・バスと参ります。

 

※ 当記事は、以前に書き貯めたものの自動公開です。


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