一度廃止された路線の復活。
日本の鉄道の歴史上極めて珍しい事例ですが、今年3月4日にJR西日本・可部線の可部-あき亀山間が復活しています。ただし実際に復活したのは、廃止前の安芸亀山駅までではなく、廃止前の「河戸駅」近くの場所まで。廃止前の安芸亀山駅は、新たに開業したあき亀山駅よりも3.4km離れているということです。そのため、廃止前の安芸亀山駅と区別する意味で、現あき亀山駅は、旧国名を平仮名書きにしたのだとか。同じ場所にないのなら、建設当時の仮称だった「新河戸」でもよかったような気がしますが。
それと、可部-あき亀山間を乗る必要があるかどうかは、「乗り鉄」派の愛好家の間ではちょっとした論争になりました。というのは、この区間は、確かに法的には新路線の開業ではあるものの、実質的には一度廃止された路線の復活だからです。
管理人は、平成4(1992)年に可部線の横川-可部-三段峡間を乗ったことがあるので、ここを乗る必要性は感じていなかったのですが、そうはいっても乗らずに済ませてしまうことに、ある種の「気持ち悪さ」を感じたのも事実なので、広島を訪れる機会があったことを幸いに、乗車しておくことにしました。広島での仕事が午前中早くに終わってしまいましたので…。
可部を発車すると、新線へ歩を進めていきます。
路盤が真新しくなる
可部線は、可部以遠は非電化で、可部を境に運転系統が分断されていましたが、復活開業区間は電化されていて、列車も全てあき亀山行きになっています。
こちらが新規開業区間↓
元廃止区間とは思えない
なかなか立派な軌道が続きます。
可部線は三段峡から浜田まで延伸する計画があったそうですが、実際に残存区間に乗ってみると、果たして陰陽連絡を果たし得るだけの高速運転ができるのかという疑問を覚えます。と言いますのも、写真をご覧いただいてお分かりのとおり、殆どこのような住宅地の中を縫うように進んでいくから。仮に浜田まで開業できたとしても、ローカル線にとどまっていたような気がします。
終着あき亀山駅。周囲には何もない(失礼)場所ですが、1面2線の頭端式ホームがあり、4線の留置線があります。
のどかな場所
留置線を別角度から。
立派な車止めが(駅舎への通路の上から撮影)
駅舎は質素な感じですが、駅員はいないようです。全景と改札口のアップをノーキャプションで。
駅舎の写真を撮影している愛好家もいました。
ところで、この駅は一度廃止された路線の復活ということですが、ということは、廃線跡が伸びているだろうと思って、駅の周囲を見てみますと…。
ありました
この築堤が、(恐らくですが)三段峡へ向かう線路の跡なんだろうと思います。
これで、とりあえずは後顧の憂いがなくなりました。
写真に写っている227系電車で折り返し、可部駅を見てみることにします。
※ 当記事は、以前に書き貯めた記事の自動投稿です。