電車は、新鎌ヶ谷を出ると右に大きくカーブし、初富駅に至ります。
実は、地図をご覧いただくと分かるのですが、北初富-新鎌ヶ谷-初富の位置関係は、ちょうど三角形の二辺を通る形になっていて、そのため北初富-初富の間の直線距離は1㎞くらいしかなく、歩いても15分くらいなのだとか。
新鎌ヶ谷から真新しい高架橋を走って、初富に停車。この駅も新鎌ヶ谷と同様、高架化後は島式ホームになる予定ですが、新鎌ヶ谷と決定的に異なるのは、上り線部分が未完成であること。そのため、下り線ホームの壁は、工事用の仮設のものになっています。
仮設の壁に貼られた初富駅の駅名標
初富駅ホームから新鎌ヶ谷方を望みます。
上り線の高架橋がない
新鎌ヶ谷まではあった上り線の高架橋は、この駅の手前で途切れています。
ホームの途中もこのとおり。
切り欠きがある
これはどういうことかというと、北初富から新鎌ヶ谷、そして初富の手前までは上り線の高架橋が出来上がっているのに対し、初富駅構内と初富-鎌ヶ谷大仏間の上り線の高架橋が未完成になっているのです。そのため、今回の高架化区間は下り線のみとなっていて、上り線は従来どおり地平を走っています。
ならば前回述べたように、新鎌ヶ谷-北初富間だけでも高架化すればいいのでは、と思われますが、それは甘かった。
現場を見てみたら、仮線を敷設する用地がないんですな。ということは、上り線の部分高架化は難しい。したがって、上り線も下り線同様、一気に高架化するしかないということが判明しました。
初富駅の鎌ヶ谷大仏方。
右側の用地の余裕がないことが分かる
右側にビルが迫っていて、しかも左側にも住宅が迫っていますから、用地の余裕が少なかったものと思われます。これでは、部分的な高架化は困難です。初富駅自体、ホームに切り欠きがあるのも、その表れ(用地の余裕がないか、又は用地買収ができていないか)ではないかと。
こちらは、走行中の電車から見た初富-鎌ヶ谷大仏間の高架橋。
上り線部分はない
このあたりも、北初富-新鎌ヶ谷間とは異なり、上り線は全く出来上がっていません。恐らく、高架化で浮いた地平の下り線のスペースに、これから上り線の高架橋を構築するのでしょう。
そして地平に降りて現在線に合流、鎌ヶ谷大仏へ到着します。
感想。
新京成は、その建設の経緯から路線が曲がりくねっていてカーブが非常に多く、そのため踏切も非常に多いのですが、やはり交通量の多い道路との平面交差は交通渋滞の原因になるということで、鎌ヶ谷市内のこの区間の高架化が決定しました。今回めでたく下り線は完成し、踏切を通過する列車は単純計算で従来の半分に減少したことから、踏切支障時間も半分になりますので、それだけ道路交通はスムーズになると思われます。しかし、踏切があると自動車に一時停止義務が課せられることは変わらず、そのための停止・減速が渋滞の要因にもなりますので、やはり高架化が真価を発揮するのは、上り線も含めて高架化が完成してからだと思います。
高架化には完成まであと7年かかるそうですが、高架化の共同事業者である千葉県と鎌ヶ谷市には何とか頑張っていただいて、早期の完成を期待したいものです。
おまけ。
この日稼働していた、唯一の8800系旧塗装車。
こちらは落ち着いたイメージ
「ももいろ新京成」と比べて、どちらがお好みでしょうか? 管理人はこちらの方が好みだったのですが…。