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4627.ちばの鉄道温故知新④~大網駅いま・むかし(前編)

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小湊鉄道バスでJR鎌取駅へ到着した管理人は、外房線下りの上総一ノ宮行きローカル列車に乗車。

そして下車したのはここ↓

 

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大網駅(分かるかな?)

 

大網駅は大網白里市(旧大網白里町)の玄関口となる駅で、東金線が分岐するジャンクションでもありますが、ここにも歴史と「遺跡」があるからです。

大網駅の外房線ホームは、カーブの上にあり、停車する列車は車体を傾けたまま客扱いを行います。

 

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かなり傾いている

 

特急「ビューわかしお」もこのとおり。

 

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綺麗にカーブしている

 

ところで、現在の大網駅は、外房線と東金線のジャンクションではあるのですが、駅の手前で外房線から東金線が分岐する形態になっています。これは東武東上線坂戸や阪急宝塚線石橋などと同じ線形ですから、千葉方面から東金方面の列車と勝浦方面の列車がこの駅で分割併合することは困難ですし、勝浦方面と東金方面相互間の直通も困難です。この線形のため、京葉線から直通する成東・上総一ノ宮行きの併結列車は、ここではなく2駅手前の誉田駅で分割併合を行っています。

 

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駅の蘇我方で分岐

 

これを見てしまうと、京葉線からの直通列車がこの駅で分割しない(できない)のも頷けます。

 

そして、2番ホームからは、東金線ホーム(3・4番線)と直につながる連絡通路が伸びています。

 

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これは国鉄時代にはなかったような

 

この連絡通路をたどっていくと、東金線ホームへ出ることができます。

 

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写真向かって左側の線路が外房線とつながっている

 

大網駅を管理人が初めて訪れたのは、既に30年以上前の昭和59(1984)年の年末で、青春18きっぷを使って日帰りで房総地区の路線の乗り潰しに出かけたときです。このときは、一旦外房線ホームから下に降り、連絡通路を通っていった記憶があるのですが…。この連絡通路は、JR発足後、それも最近作られたことは間違いないような。

大網駅は、外房線が1・2番線、東金線が3・4番線となっていますが、この連絡通路によって、3番線が行き止まりになっており、外房線とつながっているのは4番線のみとなっています。以前は3番線もつながっていたように思います。

 

東金線ホームから、外房線ホームを眺めた光景がこちら。

 

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真ん中のトタン屋根が連絡通路で、駅施設は外房線側にある

 

東金線と外房線に挟まれたエリアが駅前広場となっており、ここがバス・タクシーのプールとなっています。

 

実は、大網駅は昭和47(1972)年の外房線電化完成直前に現在の位置に移転し、同時に千葉方面と勝浦方面とのスイッチバックを解消したものです。その9年前、昭和38(1963)年までは千葉でもスイッチバックする線形になっていましたから、東京方面から勝浦・安房鴨川方面への列車は、それまでは千葉と大網で2度スイッチバックをしていたことになります。これでは流石に、いくら機動性に優れる気動車列車でも運転取扱が煩雑過ぎることから、国鉄当局はまず千葉駅のスイッチバックを解消、さらに大網駅のスイッチバックも解消し、現在に至っています。したがって、東金線ホームの側が以前からある線路であり、外房線ホームは「後付け」で作られた線路ということになります。

この2駅のスイッチバックを解消したおかげで、特急「わかしお」が東京地下駅からまっすぐ安房鴨川方面へ向かえるようになったわけですが、他方ではそのおかげで、そのまま特急編成が安房鴨川をスルーして内房線へ入って蘇我へ戻ってしまうと、蘇我で編成の向きが逆転してしまうことになり、特急による房総半島一周列車を運転することはできなくなってしまいました。これは当時の総武地下線がATCを採用していたところ、ATC装置の関係で編成の向きが決められていたためです。

 

こちらは東金線ホームからの出口・乗換案内なのですが、開業年次を考えると、なかなか味わい深いものがあります。

 

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国鉄時代の表記が今も残る

 

JR発足後30年以上が経過し、平成すら終わろうという2018年の御世にあって、今なお国鉄時代の表記・書式が残っているのは、感動してしまいます。特に柱の「東金・成東・銚子方面」。果たしてここから銚子へ行く列車というのはあったのかどうか…。

 

こちらは改札口。JR仕様の最新型の改札機と、やはりJR仕様のLEDスクロール式の発車案内表示、それらと国鉄時代ならではの、太い梁が通る武骨な構造との対比が面白い(と言っては失礼か?)駅です。

 

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ここにもIC専用改札が

 

さて、ここまで来たら、せっかくですから旧大網駅を目指しましょう。

 

というわけで→後編へ続く


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