前編から続きます。
第6位 JR各社 来年のダイヤ改正の概要決定
これは直近の記事でも取り上げましたが、目立ったインパクトはないながらも、趣味的な注目点は少なくない印象です。特に注目するポイントが多いのは、JR東日本と西日本。前者は中央線特急の再編、上越新幹線へのE7系初投入、両毛線の宇都宮直通列車廃止などがあり、後者はおおさか東線全線開業を筆頭に、新快速の座席指定サービス「Aシート」導入、「らくラクはりま」運転開始などによるJR神戸線の着席サービスの拡大などがあります。その他では、JR四国において、これまでありそうでなかった高速バスとの連携を打ち出しているのが注目されます。
おおさか東線全線開業は、久しぶりのJR新路線開業となります。管理人も是非乗りに行きたいと思っておりますが…(^_^;)
◇平成31年3月ダイヤ改正の概要については → こちら(その1・その2)
第5位 JR東日本 ライナー列車再編・中央線特急全席指定席化
これは常磐線系統に続く、特急列車の全席指定席化ですが、この狙いは「検札要員の廃止」にあるといえます。これは上記ダイヤ改正の関連記事で頂戴したコメントにあったのですが、全席指定席化=自由席の廃止がなれば、検札要員を廃止できるということで、合理化の一環ということのようです。現在は車掌が携帯する端末に指定席の発売状況が送信されており、それを参照すればどの座席のどの区間にお客が座るかが分かりますので、検札に手間をかける必要は無くなるからです。勿論、車掌の参照しているデータと実際に齟齬がある場合(具体的には、特急券を買わないお客が座っていたり、指定と異なる席に座っているお客がいる場合など)には、検札の必要はありますが、それでも自由席車を虱潰しに検札していくよりも、はるかに労力が少なくて済みます。
しかしこの全席指定席化、「あずさ」「かいじ」はわかるとして、まさか「中央ライナー」「青梅ライナー」までをも取り込むとは、夢にも思いませんでした。実質的な値上げでは…と批判の声もありますが、JR東日本では特急料金を安く抑えたり、チケットレスサービスの利用で割引を図るなど、高額になり過ぎないよう営業面で工夫を凝らすようです。
いずれ、新幹線も含めたJR東日本管内の特急が全てこうなるのでは…と思うのは、思い過ごしでしょうか(^_^;)
第4位 京王 初の座席指定列車「京王ライナー」運転開始
ロング/クロスに転換できるデュアルシート車・新5000系を使用して、京王は同社初となる座席指定列車「京王ライナー」の運行を開始しました。
夕刻から夜間にかけ、京王八王子方面と橋本方面への列車が交互に運転されます。
座席指定とはいえ、府中又は京王永山以遠であれば座席指定不要、料金不要で乗車できるということで、京急の「ウイング号」や東武東上線の「TJライナー」と同じようなライナー列車ですが、京王はかなりこの列車には力を入れていたようです。肝心の利用率ですが、京王八王子方面が高く、橋本方面がやや劣るとのこと。
今後は、明大前停車も考慮すべきではないかと思われますが、利用率が高くなくとも、この手の列車は「思い立った時に利用できる」ものであることも肝要であり、それにはあまり利用率が高くなってもそのようなニーズに応えることが難しくなるので、そこは痛しかゆしではなかろうかと思われます。
また以上とは別に、今年は高尾山口からの上り「Mt.TAKAO」が運転され、ゆっくり座って帰りたいという登山客のニーズに応えようとしていました。今後この手の列車は定着するでしょうか。
◇京王ライナー乗車記は → こちら(その1・その2・番外編)
◇京王5000系ロングシートモードでの乗車体験は → こちら
それでは…。
いよいよベストスリーの発表です!
ダラララララ…(ドラムロール)
第3位 西武 新型特急車両001系「Laview」現車登場
まさかこのような車両が、本当に世に出て来るとは思いませんでした。ミサイルを思わせる丸っこい流線形、特大サイズの側窓、そしてアルミ無塗装の外観。
西武は「ニューレッドアロー」10000系の後継として、「Laview」001系を1編成導入。今のところ営業運転にはついておらず、試運転を積み重ねています。
「Laview」の名のとおり、居住性や眺望にも配慮した車両のようですが、注目すべきはその車号。「001系」という系列名、「001-A1」という、それまでの大手私鉄の方式ともJRのそれとも全く異なる付番方法。第2編成以降がどうなるのか、その点も大いに注目されます(そっち?)。
聞くところによると、この車両は地下鉄乗り入れに必要な装備を備えているということですが、この車両が有楽町線や副都心線に乗り入れて来ることがあるのか、そこも要注目です。もしかしたら、元町・中華街まで来るかも!?
001系は未だ現車が登場しただけで、営業運転にすら就いていない車両でありながら、この車両の話題がこの位置に来るのは、ひとえにその外観のインパクトにあります。あとは、車号の付番方法の独特さ。これらで第3位となりました。
第2位 小田急 複々線完成、GSEデビュー・LSE退役
小田急電鉄では、3月に代々木上原-梅ヶ丘間の複々線が完成、これにより代々木上原から登戸までが複々線で結ばれることになりました。
勿論それにより、ラッシュ時を中心に大幅な輸送力増強が実現していますが、華はそれによって実施されたダイヤ改正の際、新型ロマンスカー「GSE」がデビューしたこと。GSEのGは「Grand」だとばかり思っていたのですが、あにはからんや「Graceful」(優雅)とは。正直なところ、見た目は余りカッコいいとは思えないのですが(失礼!)、内装の快適さと眺望の良さには目を見張るものがありました。
他方、そのGSEの登場とほぼ引き換えに、退役することになったのが、現役最古参のロマンスカー「LSE」。編成形態その他の特徴からすると、2代目のロマンスカー・NSEのDNAを最も色濃く残すロマンスカーといえますが、最近は登場時の旧塗装で統一され、よりそのことを強く感じるようになりました。反面、内装には陳腐化が目立ち、流石に退役もやむを得ないと思われる部分も。
LSEは7月に定期運行を退いた後、団体・臨時列車用となり、それも10月のさよなら運転を最後に、小田急の線路上を走り去っていきました。
管理人は5月にGSE・LSE両者に乗車していますが、帰りに本厚木から新宿まで乗ったLSEは、車両の引退前夜のバカ騒ぎなどは全くなく、静かなものでした。静かにお別れをすることができたわけで、それは良かったと思っています。
また以上とは別に、これまでロマンスカーが停車してきた、向ヶ丘遊園・新松田両駅の停車がなくなるという出来事もありました。向ヶ丘遊園は新百合ヶ丘に取って代わられ、新松田は需要の減少により「ふじさん」の松田停車で賄い切れることが明らかになったからでしょう。
◇最後の新松田・向ヶ丘遊園停車のロマンスカー乗車の記事は → こちら
それでは最後に第1位!
第1位 東急、自前としては初となる座席指定サービス「Q SEAT」開始
栄えある第1位はこれ。東急で座席指定サービス「Q SEAT」が開始になったニュースです。実際のサービス開始は12月14日だったにもかかわらず、この位置なのは、ひとえに「東急初」であること。勿論それ以前にも東横線には「S-Train」があるので、純然たる「初」ではありません。しかしこちらは、西武の列車であり西武の座席予約システムに丸ごと乗っかっているものです。そのような他社のシステムに乗っかっていない、純然たる自社内完結の座席指定サービスは、「Q SEAT」が初となります。
しかし管理人は思うんですけど、「Q SEAT」ってもっとましな愛称はなかったのかと。なぜかというと、以前の記事でも触れましたが「Q SEAT(キューシート)」には別の意味があって、それは「(演劇・テレビ番組などの)進行表」。東急がこの愛称に決定した表向きの理由については、「Quick」とか「Quarity」の頭文字で「Q」とし、ロゴは「帰宅時に羽を休める鳥の姿をイメージした」とされていますが、この「キューシート」の別の意味を知ってしまうと、「帰宅時に羽を休めているときでさえ、進行表(=キューシート、Q SEAT)の上からは逃れられない」という意味にも取れてしまいます。だとするとこのネーミングは、極めてきつい皮肉を込めたものにも受け取られかねないからです。これはあくまで管理人の勝手な考えであって、東急に撤回を迫る気もありませんし、ましてどっかの駅のように「署名運動」などもする気はありませんが(^_^;)
管理人は未だ「Q SEAT」にはロングシートモードでしか乗車したことはありませんが、年が明けて松が取れれば静かになるでしょうから、そのころを見計らって乗りに行こうと思っています。
◇「Q SEAT」車のロングシートモードでの乗車体験は → こちら
如何でしたでしょうか「私的鉄十大ニュース」。お楽しみいただけたでしょうか。繰り返しになりますが、ニュースの選定はあくまでも管理人自身の独断と偏見。「あれがなかったじゃないか!」というご批判は平にお許しを。
さて、これで平成30年の当ブログの記事の更新は最後となります。今年も管理人の自分勝手な自由放送に過ぎないブログにお付き合いをいただきまして、誠にありがとうございましたm(__)m
今年は皆様にとってどんな1年だったでしょうか。
来る2019年が、皆様にとって幸多き年になりますことをお祈り申し上げ、管理人から皆様への今年最後のご挨拶とさせていただきます。
それでは皆様、どうぞよいお年をお迎えくださいませ。
平成30年12月30日 管理人謹白