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5022.【SVO・キハ283系退役】令和初のJRダイヤ改正概要(前編)【のぞみ12本ダイヤ】

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今年もやって参りました、来年のダイヤ改正の概要の発表。

いずれも既に13日に行われており、それから1週間以上経過してしまいましたので(当記事作成時点)、既にネタとしての鮮度は…という面があることは否めませんが、そこは管理人の関心の範囲内ということでご容赦を。

 

JR各社のプレスリリースは、以下のとおりとなります。いずれもPDFファイルです。

 

・ JR北海道「2020年3月ダイヤ改正について」

・ JR東日本「2020年3月ダイヤ改正について」

・ JR東海「2020年3月ダイヤ改正について~『のぞみ12本ダイヤ』をスタートします!~」

・ JR西日本「2020年春ダイヤ改正について」

・ JR九州「新型車両を投入し、通勤・通学をより快適にします ダイヤをよりわかりやすく利用しやすくします」

・ JR四国「2020年3月ダイヤ改正について」

 

既に改正の概要については、他の鉄道趣味系ブログでもかなり立ち入った考察がなされているところが多く、また時間も経過していて、今更改正事項を羅列しても面白くないので、概要その他具体的な内容は各リンク先に譲ることにいたします。したがって、以下では、管理人の関心を引いた事項をピックアップして取り上げるという形を取ります。悪しからずご了承ください。

 

【JR北海道】

① 快速「エアポート」の頻度アップ・特別快速運転(空港方面2本)
② 区間快速「いしかりライナー」廃止
③ 特急「すずらん」の指定席車を1両から2両へ
④ 特急「おおぞら」の使用車両を一部キハ283系からキハ261系へ変更

⑤ 特急列車における「スーパー」の冠を全廃
⑥ H100形を函館本線(長万部~小樽)で運用開始

 

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頻度が増える

 

快速エアポートの増便(①)は、正しい判断であると思います。新千歳空港駅がMAX6連であり、それ以上の長編成化が困難なため、輸送力を増強しようと思えば、頻度を増やすしかありませんから。

これに対して「いしかりライナー」の廃止(②)は、道外の管理人からすると意外な気もしますが、中途半端な快速運転をされるよりは、各駅停車で運転してくれた方がフリークエンシーが保てるという判断でしょう。通過列車があると、どうしてもその前後は不当時隔にならざるを得ません。それが故の各駅停車化だと思われます。

 

「すずらん」指定席車2両化は(③)、もともとの指定席車との格差が顕在化しますが、それはいいんでしょうか。785系や789系1000番代の指定席車は、「Uシート」仕様になっていますが、それは1両だけなので。同じ指定席特急料金を支払っても、「Uシート」とそうでない車両の不公平感は否めませんが。

 

特急列車について、遂にキハ281系ばかりかキハ283系も退役することになりました(④)。早い気もしますが、キハ281系同様、運用が過酷なので老朽化も進行しているということなのでしょう。もっとも、全車退役ではなく、しばらくはキハ283系の活躍が続きそうですが、勢力は縮小されます。

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遂にキハ283系からも退役するものが出る

 

この写真を撮影したときは「スーパーおおぞら」でしたが、ダイヤ改正後は「スーパー」の冠が外されます(⑤)。一時期、北海道だけではなく各地で「スーパー〇〇」が、それこそ雨後の筍のように乱立しましたが、それが故に有難味が薄れたということなのでしょう。

 

最後に、函館本線山線(長万部-小樽)間にH100形がデビューすることも注目されます。同車はJR東日本のGV-E400系と同じ仕様で、耐寒耐雪性能を強化しているものですが、北海道では電気式気動車の運行は初となるからです。

 

【JR東日本】
① 特急「サフィール踊り子」運転開始、E261系デビュー
② 特急「踊り子」にE257系投入開始(全面置き換えではない)
③ 特急「あずさ」の輸送体系変更(3号の千葉→南小谷の通し運転廃止、一部列車について停車駅変更、号数を『かいじ』と通しに変更など

④ 中央線(快速)および中央・総武線(各駅停車)の輸送体系変更
早朝・深夜の東京発着の各駅停車廃止、早朝・深夜の中央総武線各駅停車のお茶の水折り返し及び三鷹以西への乗り入れ廃止。つまり両系統の完全分離
⑤ 磐越西線に指定席車導入、連結列車を「あいづ」と命名

⑥ 常磐線の臨時駅常設化(Jヴィレッジ)及び駅名改称(佐貫→竜ケ崎市)、さらにこの改正をもって常磐線全線復旧?

 

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遂にこの車両(右)が退役する

 

バブル絶頂のころ、当時としても意欲的な設備を揃えて世に出た251系ですが、遂にその後継者(車)がデビューすることになりました(①)。これにより、251系を使用した「スーパービュー踊り子」は廃止、同系は退役することがはっきりしました。デビューが平成2(1990)年ですから、まさに251系は「バブルの帝王」であり、かつ「平成を駆け抜けた車両」とも言えます。令和の御代には、E261系「サフィール踊り子」がその後を引き継ぐことになるのでしょう。

 

山を下りたE257系がいよいよヴェールを脱ぐ

 

そして遂に、E257系のリニューアル車の「踊り子」投入が開始され(②)、昭和60(1985)年以来現在に至るまで、185系の牙城だった(臨時列車を除く)「踊り子」の運用に楔が打ち込まれることになりました。恐らく順次、185系はE257系に取り換えられるものと思われますが、E257系のグリーン車の定員は大丈夫なんでしょうか。「あずさ」「かいじ」時代のサロハ(半室)はサロ(全室)に改造され、定員確保には意が用いられていますが、それでも185系の10連に比べたら半分です。あるいはそういう需要は「サフィール踊り子」で賄うということなのでしょうか。

 


大糸線直通は維持されたが

 

「あずさ」「かいじ」の変更も、小幅ながら鉄道趣味的には大いに注目されます。それは、千葉~南小谷という長距離を走破してきた「あずさ3号」が、改正以降は松本止まりとなって、大糸線への直通をしなくなるから。だからといって大糸線直通がなくなるわけではなく、他の列車によって維持されていますが、それでも長年続いた千葉~南小谷間の運転が取りやめられるということは、大きな意味があるように思われます。

「あずさ」「かいじ」に関しては、その他にも両列車で号数を通し番号に変更する、一部の「あずさ」停車駅を変更するなども予定されています。

 

中央線つながりというわけではないのですが、さらに興味深い変更はこちらです。

 

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三鷹以西には乗入れなくなる

 

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こちらは終日快速運転に

 

国鉄時代から伝統的に行われてきた、早朝深夜の中央線各駅停車の東京駅発着と、同じく早朝深夜の中央総武緩行線のお茶の水折り返し、さらに中央総武緩行線列車の三鷹以西への乗り入れ、これらが全て行われなくなります(④)。

これは恐らく、中央線快速電車へのグリーン車連結による編成変更との絡みで、グリーン車連結後の快速電車編成が営業列車としては緩行線区間を走れないこと(ホームの延伸が必要になる。またグリーン車の扱いはどうするのか)から、両者を完全分離したものと思われます。しかしこれによって、現在は非常時に行われている中央線電車の緩行線走行(各駅停車として運転)が行えなくなるので、その点はやや不安があります。

 

その他、磐越西線列車への指定席車連結(⑤)、常磐線の全線復旧と駅名変更(⑥)が注目されます。⑤は指定席車というからにはマルスに座席を収容しますが、それには列車名を付ける必要があります。恐らく順当にいけば「あいづ(会津)」か「ばんだい(磐梯)」、大穴は「いなわしろ(猪苗代)」だろうと思われていましたので、まさに「満を持して」の命名でした。

⑥はかねてからアナウンスされていた、「佐貫→竜ケ崎市」への変更です。これは前々から竜ケ崎市が要望していて、それがかなったことになりますが、関東鉄道竜ケ崎線はどうするのでしょうね? 関東鉄道の駅だけ「佐貫」で通すのかどうか。

 

また常磐線の全線復旧は、上記PDFファイルでは言及されていませんが、この日が確実であろうといわれております。あの震災と原発事故による運転不能から実に9年。いよいよ復活することになります。

 

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9年ぶりに不通区間が解消される(写真は代行バス)

 

全線復旧の暁には、東京(上野? 品川?)からの特急が仙台まで達するとのこと。既にそれを見越し、E657系の追加投入が行われており、準備は万端です。ただし、ダイヤ改正実施日に合わせるかどうかは、当記事の作成時点ではわかりません。しかし、ここまで到達したことを喜びたいところです。


【JR東海】

 

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JR東海は、何といっても「のぞみ12本ダイヤ」実施が圧巻です。

「のぞみ12本ダイヤ」とは、1時間当たり「のぞみ」を最大で12本運転するということで、過密ダイヤも行き着くところまで行き着いた感があります。しかしこれも、N700Aの卓越した走行性能のおかげで実現できるもの。同系への車両の統一と、最高速度の全列車285km/h化により、このようなダイヤを組むことが可能になりました。

しかし開業当時と比べると、最高速度は実に75km/hもアップしているのですね。路線条件が厳しい東海道新幹線でここまでのスピードアップが可能になるのは、何度も言いますがN700、特にN700Aの卓越した走行性能あってのことです。

 

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遂に「座席で喫煙できる車両」がなくなる

 

そして地味ですが重要な変更として、「こだま」指定席車の変更があります。現在はグリーン車を除けば11・12号車と16号車。これは何故かというと、15・16号車が喫煙車だからですが、座席で喫煙できる700系を放逐することにより、必ずしも16号車を指定席車としなくてもよくなりました。
変更後は、11・12号車が指定席車なのは従来どおりですが、新たに指定席車になるのは7号車。これは恐らく、グリーン車を指定席車で挟み込んで「関所」にし、グリーン車と自由席車を直に接しさせたくないのでしょう。

その他では、東海道線袋井~磐田間に御厨駅開業、特急「ひだ」の一部列車の時刻を変更などとなっています。

 

以上で前編は終了。

後編では、JR西日本・九州・四国を取り上げます。

 

というわけで、後編へ続く。

 

※ 当記事は12/20付の投稿とします。また当記事で使用している写真は、全て以前の記事からの転載です。


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