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5402.Nのために~東京メトロ9000系試作車の30年

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以前の記事で触れたとおり、来る11月29日には駒込-赤羽岩淵間の第一期開業から30年を迎える東京メトロ南北線。

ということは、この車両も30周年を迎えることになります。

なお、今回の記事のタイトル、元ネタは湊かなえさん作のミステリー小説です。7年前にはテレビドラマ化されました。

 

9000系第1編成

 

はい、9000系のトップナンバーです。9000系の中でも9101-9201-9301-9801の4両だけは、南北線開業に先んじて、平成2(1990)年に試作車として登場、綾瀬の車両基地に運び込まれました。開業まで千代田線で各種試験を行い、翌年秋にはトレーラーで王子神谷の車両基地に陸送され(当時南北線は他の地下鉄路線とは線路がつながっていなかった)、南北線の第一期開業に備えています。

つまりこの編成のうち、9101-9201-9301-9801は開業前から生を受けていた編成で、今年で登場31年になります。

 

その後、第一期開業時に導入された4連8本については、四ツ谷開業時に中間電動車を第1・3・5・7編成にまとめ、先頭車だけになった第2・4・6・8編成には、新たに中間電動車を新造して組み込みました。

平成28(2016)年から翌々年にかけて、これら8編成のリニューアルが実施されましたが、第1編成も対象となりました。一部では退役するのではないかという見方もありましたが、写真のとおりリニューアルを受け、現在も活躍しています。

 

側面帯の入り方がよく分かるアングルで一発。

 

エメラルドの「パレオ」模様が入っている

 

以前当ブログで9000系リニューアル車を取り上げた際(下記関連記事参照)、この側面の波模様のストライプをパレオになぞらえたことがありますが、まさしくこれは風に靡くパレオに見えます。

この編成は、座席の袖仕切りや窓枠などにFRPを多用し、しかも車端部にはクロスシート(ボックス席)を備えるなど特徴的な編成でしたが、リニューアルによってそれらの特徴はなくなりました。特にボックス席がなくなったことは、東京メトロをして「大手私鉄唯一のクロスシート装備車両を保有しない会社」たらしめてしまいました。クロスシート車を保有しない大手私鉄としては、かつては京王がありましたが、京王は「京王ライナー」用の新5000系を導入しましたので、現在はこの称号を返上しています。もっとも、京王のあれは近鉄でいう「L/Cカー」であり、クロスシート車といえるかというと疑問もありますが。

 

特徴的な先頭部の側面形状。

 

大きく窓が回り込んでいる

 

パノラミックウインドウというには、かなり側面に大きく回り込んだ正面窓ですが、これは運転士が側面、特にホーム側方のモニター類を確認するのに便利だと考えられたから。東急の3000系や都交通局の6300形がパノラミックウインドウを採用しているのも同じ理由ですが、実際には計器類を見ながら運転しているようであり、このような窓構造がどこまで役に立ったかといえば疑問ではあります。東急5080系は、3000系とは異なりパノラミックウインドウを採用してはいませんから。

 

今後は、第9編成以降には相鉄乗り入れ対応改造を施し、同時に新造車両を組み込んで8連化するとのことですが、第8編成以前はどうするのでしょうか。6連のまま使うのか、それともそのまま退役させるのか。流石にここまで手を加えておきながら、10年も使わずに退役させるとは思えませんから、6連のままで白金高輪折返しか、日吉・新横浜折返しで使用するのでしょう。

 

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