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Channel: さすらい館
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5915.【豪華さと落ち着きが】大解剖! 近鉄80000系「ひのとり」【高レベルで融合した名車】

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今回は「ひのとり」こと近鉄80000系の大解剖と参ります。

冒頭の写真をご覧いただいてお分かりのとおり、先代の名阪甲特急「アーバンライナー」シリーズが直線的な流線型だったのに対し、こちらは柔らかな曲線の流線型となっています。

そして80000系を強烈に印象付けるのが、メタリック調の深紅のボディーカラー。そこにゴールドの帯とグレーのブロックパターンがあしらわれ、これらが何とも言えないプレミアム感を醸し出しています。

 

こちらは「ひのとり」のロゴ。角度を変えた2点の写真をノーキャプションでどうぞ。

 

 

 

なぜこの車両の愛称が「ひのとり」になったかというと、以下のとおりの経緯とされています。

 

列車が疾走するスピード感が鳥の飛び立つ姿を、深紅の車体カラーが「火」を連想させることから命名された。「火の鳥」をイメージしたシンボルマークも車両に付けられる。
(出典及び引用元:大坂直樹「近鉄の新型特急「ひのとり」は何が最強なのか」『東洋経済オンライン』、東洋経済新報社)

さて、「ひのとり」という名称、そしてロゴマークから連想されるのは、漫画界の巨匠・手塚治虫のあの長編漫画ですが、それとの関係については、上記出典ではこのように述べられています↓

「ひのとり(火の鳥)」といえば、手塚治虫の長編漫画「火の鳥」があまりにも有名だ。「名前の“ひのとり”や車両のシンボルマークは手塚作品と関係があるか」という質問に対し、近鉄側は、「関係ない」と述べたうえで、「念のため手塚プロには事前に説明して了承も得ている」と説明する。

(上記引用元による)

 

どうせなら手塚プロダクションと正式契約を結び、手塚治虫の「火の鳥」のキャラクターを使えばよかったのに…と思ったのですが、版権使用料との関係で難しかったのでしょうか。

 

車両は、プレミアムシート・レギュラーシートともバックシェルが設けられていて、後席を気にせずにリクライニングが可能となっています。またプレミアムシートは横3列の幅広仕様、かつ本革張りのゴージャスかつ落ち着きあるもの。このあたりは、先発の50000系「しまかぜ」からフィードバックされた思想だとか。というか80000系自体、50000系の豪華さをビジネスユースにも適合するように改変しているため、「しまかぜ」との共通点、あるいは影響を受けた点がみられるのも、むしろ当たり前ということです。

 

豪華ではあるが落ち着いた空間(プレミアムシート車)

 

そして「ひのとり」に特徴的な付帯設備がこちら。

 

カフェスポット

 

これはいわば「ドリップコーヒー等の自販機」で、形態としてはセブンイレブンやファミリーマートにあるような、セルフのコーヒーマシンに料金箱をくっつけたようなものです。もっとも、紙コップと白湯だけは無料で提供されます。

コーヒーマシンの横は自販機で、これは「ひのとり」グッズやお菓子、紅茶のティーバッグ、スープやココアの素などが売られています。つまり、ここで紅茶のティーバッグなどを買うことで、無料提供の白湯を利用してコーヒー以外のホットドリンクを手に入れることができるわけでして。

なお、この区画はプレミアムシート車にありますが、プレミアムシートの乗客だけの専有サービスではなく、レギュラーシートの乗客も自由に使えるとのこと。

ちなみに、3号車には通常の自販機があるそうですが、管理人は見てきませんでした(^_^;)

 

こちらは「カフェスポット」の向かい側にあった、大型手荷物収容用の無料ロッカー。

 

 

海外からの観光客には大荷物を携行する人が多いことに鑑み、このようなスペースを用意したとのこと。手持ちの交通系ICカードが鍵として機能する構造になっています。

 

そして「ひのとり」の勲章といえばこちら。

 

グッドデザイン賞と鉄道友の会ブルーリボン賞の2冠

 

近鉄80000系は、そのハイグレードかつ意欲的な設計が評価され、グッドデザイン賞とブルーリボン賞(BR賞)の双方の賞に輝いた「二冠王」です。前者は一般利用者からの、後者は鉄道趣味界からの、それぞれ最高の評価ということですから、これは誇っていいことだと思います。

 

80000系には6連と8連が存在するということは、既に以前の記事で述べましたが、同系は0・10・50番代と3つの番代区分が存在するとのこと。50番代は8連を意味するそうですから、分からなくはないとして、同じ6連で0番代と10番代を区別するというのは、ちょっと細かくし過ぎではなかったかと思います。0番代と10番代の違いは、搭載機器の違いだということですが、やはり「番代区分の複雑化」は、近鉄の車両の宿命のようなものなのでしょうか(^_^;)

 


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