加古川線から分岐していた、「ファミリー」の支線たち。現在鉄道として残っているのは、三木鉄道亡き今、ここ北条鉄道だけになってしまいました。
神鉄から北条鉄道への乗り換えは、跨線橋を渡ります。
乗ってきた神鉄の電車を眺める
粟生駅には北条鉄道の切符売り場がないため、車内で運賃を支払います。
北条鉄道は交換可能な駅がなく、全線一閉塞となっています。そのため、稼動車両も4両となっていますが、今回来てくれたのはフラワ2000-3。元三木鉄道の車両のようです。
乗り込むと、クロスシートが多めの座席配置となっています。
発車すると加古川線と別れ、田園風景の中を進みます。
乗ってしまえば、そこは約14kmと短い路線。あっという間に、北条町駅に着きました。この駅は一応、加西市の玄関口となっていますが…。
しかし、このときは乗客は少なめでした。やはり、神戸や姫路へのバス路線にかなり蚕食されてしまっているのでしょうか。ルート的には旧三木線とは異なり、現実の流動に合致していないというわけではないのですが、やはり加古川直通がないことや、JRとの運賃通算がないこと、神鉄の運賃も高額になっていることからすると、北条鉄道の利用が減少しているのも致し方ない面もあるように思います。
このまま粟生へ戻り、粟生から加古川線で加古川へ。
この車両は平成16(2004)年12月の加古川線電化開業の際に用意されたグループで、モハ103+モハ102のユニットを先頭車化しています。車両内外に徹底的に手が入れられていますので、一般利用者には新車と受け取られているようですが、乗ってしまえばモーター音は紛れもない103系。なかなか楽しかったです。
旧三木鉄道が潰えたのに対し、北条鉄道が生き残ったのは、やはり旅客流動の実態に路線が合っていたかどうかに尽きるのではないかと思います。旧三木鉄道は合わなかったのでギブアップしてしまいましたが、北条鉄道はまだ実態に合っています。しかし、現在は加古川直通もないし、乗り換えの不便もあります。なので利用がバスに流れるのもやむをえないといえます。
しかし、北条鉄道沿線は、古い駅舎など古きよき時代の日本が残っているような気がします。それを生かす方向での活性化ができないものでしょうか。そのあたりに期待を抱いてしまいます。あくまでよそ者の意見ですが。