平成23(2011)年度には、10連バージョンの4000番代が投入されました。当時はまだ副都心線とは線路がつながっておらず、東横線・みなとみらい線の地上設備も10連には対応していなかったため、暫定的に8連を組んで営業運転に投入された編成もあれば、西武や東武に貸し出されて運用入りするものもいました。
相互直通運転開始前、東武に貸し出されて東武車運用に就いていた4000番代
4000番代は現在のところ10編成が登場していますが、そのうちの最後の編成、4110Fはそれまで東急の車両が纏ったことがなかったゴールドを基調としたカラーリングを纏い、内外装とも異彩を放つ姿で登場しました(ヒカリエ号)。
「Shibuya Hikarie」のPR編成として登場した
一方、8連は5176Fまで登場しますが、その編成の中間車の1両・サハ5576は、新しいステンレスボディーの工法「Sustina」の試作車として現れ、1両だけ完全に平滑なサイドビューが、見る者に強烈なインパクトを与えています。
この車体構造は、その後の2020系など「20系シリーズ」にも採用されました。
異彩を放つサハ5576
現在、5050系は8連が26本(5155・5156Fは欠番)、10連が10本東横線に在籍し、8連は渋谷から東武東上線志木・西武池袋線飯能まで、10連は東武東上線森林公園(土休日は小川町)・西武池袋線飯能まで直通しています。
なぜ5155・5156Fの2編成が欠番かというと、平成26(2014)年におきた元住吉駅構内の衝突事故のため(当該は5155Fと横浜高速Y516F)、5155Fが損傷が激しかったために廃車となり、5156Fは同じ理由で廃車となったY516Fの代替として横浜高速鉄道籍になったから。5156Fは、横浜高速鉄道への移籍と同時に、Y517Fに改番されています。
管理人は正直なところ、5050系を初めて見たとき、こんなのは東急らしくない車両だな…と思っていました。勿論、8000系を退役に追い込み、9000系を他路線に追いやった車両ですから、そういう意味でも5000系列が増殖することが面白くなかったのも事実です。しかし、現在は管理人にとっては嫌いな車両ではなくなっています。やはり毎日のように乗る・目にする車両だからでしょうか。心理学では「ハロー効果」というのがあって、会うことを重ねるごとにその人に対する親しみの感情が増すという結果があるそうですが、車両もそれは同じなのかもしれません。
既に初期車の登場から15年以上を経過していますが、流石にまだまだ廃車になるとは思えません。5000系列の天下はいつまで続くんでしょうか。そして5000系列が置き換えられるようになったら、かつて8000系や9000系に対して抱いた感情を、5000系列に抱くようになるんでしょうか。
※ 当記事は01/20付の投稿とします。なお、前記事と当記事で使用している写真は、全て以前の記事からの転載です。