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5064.【池袋線特急Laview統一】2020年西武ダイヤ改正概要を見る【新宿線快速急行登場】

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既にダイヤ改正の概要が大本営から発表されてしばらく経過し、この話題を取り上げた鉄道趣味系ブログも数多あるところではありますが、遅ればせながら当ブログでも取り上げます。ただし、いつものことながら、改正の概要を逐条的に取り上げても面白くありませんから(だってそんなものは大本営発表を見ればわかるでしょ)、管理人の関心に引っかかってきた事項を中心に取り上げることにいたしますので、その点はご容赦願います。

 

西武大本営の発表はこちらです。

2020 年 3 月14 日(土) ダイヤ改正を実施します(西武鉄道公式・PDFファイル注意)

 

改正の内容は多岐にわたりますが、管理人の関心事項は以下の点です。

 

① 池袋線特急「ちちぶ」「むさし」を全て001系Laviewに統一

② 快速急行について新桜台通過に変更

③ 池袋発着の西武秩父線方面への直通快速急行・急行を廃止(飯能で系統分割)

④ 新宿線に快速急行(下り2本)の運転を開始

 

順にみていきましょう。

 

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池袋線特急全運用を手中に収める

 

営業運転開始後1年を経て、いよいよ池袋線特急「ちちぶ」「むさし」が全て001系「Laview」に統一されることになります(①)。001系は外観のインパクトが強烈ですが、眺望も居住性も10000系「ニューレッドアロー」よりは優れていますので、置き換えは当然のことでしょう。それに10000系の走り装置も101系、あるいは先々代の「レッドアロー」5000系の発生品であり、40~50年経過していますので、その点からも流石にいつまでも使えないということでしょう。

 

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遂に池袋線系統から撤退する

 

ここで注意すべきは、あくまでも「池袋線系統からの」撤退であり、新宿線系統の「小江戸」では10000系の運用が継続されるということです。しかしこちらも、いつまで同系を使うのかという問題があるにはありますが…。新宿線系統に001系を投入しなかったのは、ことによると新宿線系統の特急政策について、西武の中の人にも迷いがあるのかもしれません。これは④について言及する際に再論しますが、どうなるのでしょうか。

 

そして、「Fライナー」など速達性が重視される列車について、余計な停車駅を減らそうということか、地下鉄直通の快速急行について、新桜台が通過に変更になります(②)。

 

DSC_0201.jpg

西武有楽町線内にも通過駅が出現する

 

西武有楽町線内は、確か信号システムの関係で新桜台駅を通過する列車を設定することができないと聞いたことがあるのですが、もしこの話が事実であれば、システムの改修を施したということなのでしょう。

 

そして、ある意味では最も衝撃的なニュースが③です。

 

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4000系が飯能以東へは来なくなる

 

土休日に運転されている、池袋発着の秩父方面への直通列車について、飯能で運転系統を分割して池袋からの直通運転を取りやめるということです。この直通列車には2扉セミクロスシートの4000系が充当され、東武が快速の運転を止めて2扉クロスシート車がスカイツリーライン区間に入らなくなった今となっては、京急2100系と共に、東京都心部に乗り入れる特別料金不要のクロスシート車となっていました。

もともとこの列車は、西武秩父線開業前から走っていた「ハイキング急行」の流れを汲む列車で、昭和55(1980)年の急行の日中運転開始と同時に快速急行に変更され、さらにその9年後には秩父鉄道への直通運転を開始し、三峰口・野上(その後野上方面は終着駅を寄居へ、さらに長瀞へ変更)発着に変更され、ハイキングその他の行楽客の需要に応えると共に、特急券を確保できなかった行楽客の救済も担ってきました。

そのような列車が系統分割されると、「ハイキング急行」の流れを汲む列車が西武から消えることになります。

これについては、池袋線のホームドア整備が関係しているとのことです。4扉の通勤車を前提とすると、4000系の扉位置はそれらとは合わず、ホームドアに適合しないから。それともうひとつは、2扉であることに起因する乗降性の悪さも理由と思われます。

ともあれ、4000系を飯能以東で見ることができるのは、3月8日までということになりました。

 

最後に新宿線での快速急行運転(④)について。

これは東武東上線で運転されている「川越特急」と同じ使命を帯びた列車と思われ、川越への観光客の輸送に主眼があるものと思われます。

面白いのは列車の運転形態で、下りが2本だけということで、上りは運転されません。「川越特急」は上りも運転されるのですが…。これは帰りのお客を「小江戸」に誘導する狙いがあるんでしょうか。これが上下ともの運転であれば、往年の「川越号」の復活と思われたのですが、そうではないようで。

ところで、新宿線系統の特急について車両の置き換えがなされなかったことと、「小江戸」の特急料金引き下げキャンペーンの結果によって、列車としての「小江戸」がどうなるかについては、様々な憶測が流れているようです。

 

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新宿線系統からも早晩撤退?(写真は飯能駅)

 

管理人は、今回の快速急行新設は、今後の「小江戸」の処遇をどうするか見極めるためではないかと思っています。つまり、快速急行がそれなりの乗車率を確保することになれば、日中時間帯の「小江戸」の運転を取り止めることにもなると思われます。とはいえ着席需要はありますので、特急を残す場合は近鉄の阪奈特急のように、朝晩中心の運転に切り替える可能性もあります。あるいはもっと徹底して、新宿線系統の特急運転を一切止めて「S-Train」にシフトすることもあり得なくはありません。これは今後のダイヤ改正次第ということになりそうです。

 

池袋線系統の特急が001系「Laview」に統一され、「ハイキング急行」の流れを汲む池袋発着の秩父方面への直通列車が消えるなど、今回のダイヤ改正は、後年、あれは大きな歴史の転換点だったと評されるように思われます。

 

◇関連記事

№4769.西武秩父線と西武特急の半世紀 その7 「ハイキング急行」列伝

 

※ 当記事で使用している写真は、いずれも以前の記事からの転載です。


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